ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2009.09.10]
From Osaka -大阪-

クロード・ベッシーによるデモンストレーションとショヴィレの『ジゼル』

イヴェット・ショヴィレ振付『ジゼル』、クロード・ベッシー『Concerto en Ré』
有馬龍子バレエ団、京都バレエ専門学校

有馬龍子バレエ団の創立60周年記念公演。長年、パリ・オペラ座バレエ団と交流を持ち、フランス・メソッドを学んでいる同バレエ団、プログラムはやはりそれを活かしたものだった。
まず幕開けは、パリ・オペラ座バレエ学校校長を長年務めたクロード・ベッシー振付の『Concerto en Ré』。パリ・オペラ座バレエ学校の生徒たちのために創られた、バッハの曲に乗せた20分程度の作品で、レオタード姿で普段のレッスンを垣間見せるようであると同時に、舞台向けに構成されたもの。ベッシーが実際に来日して日本の子供たちに指導した。ごまかしがきかない振りだが、特に高学年のパートを踊ったダンサーたちはよくこなしていて、低学年の生徒たちの可愛らしさとともに楽しませてくれた。

続いては『ジゼル』全幕。オペラ座の至宝と言われ、素晴らしい『ジゼル』を踊ったと伝えられるイヴェット・ショヴィレから資料を借りて、このフランス古典バレエを代表する名作に取り組んだ。主要な役はオペラ座から招いたゲスト。ジゼルにミュリエル・ズスペルギー、アルブレヒトにカール・パケット、ヒラリオンにジョシュア・オファルト。
カールのアルブレヒトは、人の良さがにじみ出るようでいて、あふれる気品も感じさせてさすが。ミュリエルのジゼルは、1幕では明るく恋する普通の女の子、恋の喜びに弾むような踊りだ。その彼女が2幕では、エレガントで気高い姿に。1幕と2幕で醸し出す雰囲気がまったく違うことに眼を見張った。
ジョシュアのヒラリオンは、スラッとした身体のライン、自然な演技に好感が持てる。他の脇役も適材適所。バチルド姫は横江舞、美しい首のラインから高貴さが漂うようだし、クールランド公爵はミカエル・ドナールが演じて存在感たっぷり。それに、母・ベルタは地主薫、堂々としたマイムで母の毅然とした威厳をみせた。ペザントもなかなかで、明るい雰囲気で素直なはにかみが可愛らしい花木優里、喜びにあふれ、さわやかでパの正確さもさすがの奥村康祐。
そして、ミルタがまた特に素晴らしかった。慎ましやかで崇高なものを感じさせるのだ。2幕では、ジゼルはもちろん、ミルタやドゥウィリ、コール・ド・バレエも含め、音のなかで、もっともっと広がっていくようなとでも言えばいいだろうか。 空気に浮かぶようでどこまでも伸びていくような、私がいつもフランス・メソッドの大きな魅力だと思うもの……そんな素晴らしいものを感じさせてくれた。
(2009年8月2日 びわ湖ホール大ホール)

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