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越智久美子の金平糖の精にワディム・ソロマハの王子──恒例の越智インターナショナルバレエ 『くるみ割り人形』

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

越智インターナショナルバレエ

『くるみ割り人形』越智久美子:改訂振付(ワレリー・コフトン版をもとに)

名古屋のクリスマス恒例、越智インターナショナルバレエの『くるみ割り人形』。ワレリー・コフトン版を基に越智久美子が改訂振付しての上演。

はじめに幕前で衣装を着けた主要ダンサーを紹介する形で、初めてバレエを観る人にも誰がどんな役か分かりやすいようにという工夫が良い。少女クララは加藤萌依、素朴な雰囲気に好感が持てる。少年フリッツは安田鶴洋で、少年ながら4回転ピルエットをこなすなど技術が高く、ちょっとおませなくらいの演技とともにしっかりと踊っていた。
夜の場面で少女クララが夢のクララ、生田絵美に入れ替わる。くるみ割りの王子のワディム・ソロマハとのなめらかさのあるパ・ド・ドゥ、その世界を素直に楽しんでいることが滲み出る踊り。

0314 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

少女クララ:加藤萌依、くるみ割り人形:宮下麗太、ドロッセルマイヤー:クズミッチ・アルチョム
撮影:田中 聡(テス大阪)

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夢のクララ:生田絵美、くるみ割り人形の王子:ワディム・ソロマハ
撮影:田中 聡(テス大阪)

1202 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

金平糖の精:越智久美子、王子:ワディム・ソロマハ
撮影:田中 聡(テス大阪)

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金平糖の精:越智久美子
撮影:田中 聡(テス大阪)

そして、第2幕のはじめは、女神(辻咲桜香)とともに踊るとても小さな天使たち。いつも思うがとても可愛らしい場面だ。続いて、実力派ダンサーたちがそれぞれカップルで踊る、スペイン(チョコレート)やフランス(アーモンド菓子)といったお菓子の踊りのディヴェルティスマンが続き、クライマックスは、越智久美子の金平糖の精、ワディム・ソロマハの王子でのグラン・パ・ド・ドゥ。他の男性も入って、金平糖の精を讃える構成が華やか。
かなりのベテランであるはずのソロマハの美しい脚のライン、そして、信頼のおける優しげなサポートが素晴らしい。そして、越智久美子の丁寧で華やかな金平糖の精。ヴァリエーションに2人の男性が讃えるように共演するというのも興味深かった。
フィナーレは観客みんなが手拍子で。このクリスマス恒例の『くるみ割り人形』を心から楽しんでいることが感じられた。
(2024年12月26日 Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール)

1336 撮影:阪本-愛(テス大阪).jpg

金平糖の精:越智久美子、王子:ワディム・ソロマハ
撮影:阪本 愛(テス大阪)

8031 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

夢のクララ:生田絵美、くるみ割り人形の王子:ワディム・ソロマハ
撮影:田中 聡(テス大阪)

8035 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

女神:辻咲桜香

8043 撮影:田中-聡(テス大阪).jpg

ジゴーニュ:永井くみえ
撮影:田中 聡(テス大阪)

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