ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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唐津 絵理 text by Eri Karatsu 
[2004.12.10]
From Nagoya -名古屋-

愛知万博プレイベント「森の中のパレード"音楽が踊る ダンスが聴こえる"」

2005年3月から半年にわたって愛知県で開催される博覧会<愛知万博>は、1970年の大阪万博以来、日本で開催される最大の博覧会で、数ある地方博とは異なった国際級のイベントである。しかし、未だ全国的には認知度が低いようで、この度、愛知芸術文化センターが、そのPRに乗り出すことになった。
イベントといっても、芸術文化センターが創作する公演であるからには、パフォーマンスとしても見ごたえのあるものにしなければならない。そこで選ばれたのが、今人気絶調の振付家・近藤良平とコンドルズ。そして彼等とコラボレーションを繰り広げる音楽監督の仙波清彦率いる、<仙波清彦 & HANIWA EXPO BAND>のメンバーには、真矢、金子飛鳥、鬼怒無月、ヒダノ修一、坂田明といったジャンルを超えた一流の音楽家たちが名を連ねた。野外での公演、ビートの効いたリズムを楽しむことの出来る打楽器を中心とした編成に、メロディーラインを奏でるギターやバイオリンが入り、音楽家どおしだけでもかなりスリリングなコラボレーションを繰り広げた。

 まず公演の幕開けでは、愛知工業大学名電高校ブラスバンドが登場し、今回のために山下洋輔が作曲してくれたテーマ曲を演奏。映像で二人の少女(子供のダンサー)と、愛・地球博のメインキャラクター森の妖精“モリゾーとキッコロ”が出現する。スクリーンが上がると、コンドルズ ユース AICHI(地域の小学生から中学生のこどもたち)69名が登場。
 子供たちの探検隊やコンドルズのダンサーたちが、モリゾーとキッコロを探しながら、森の中をさまよう。ダンスやコントに挑戦した子供たちは、近藤良平らとの10日間のリハーサルで、沢山のシーンを創り、迫力あるダンスを繰り広げた。

 また近藤良平は、前半でパーカッションと、後半でサックスとのソロを披露。よみうりランドで公演(10月31日/東京のレビュー欄を参照)には、生の大音量の音楽の迫力に少々押され気味だった近藤も、愛知公演では、音楽家としっかりと向き合い、自分のダンスを見せ、ダンスと音楽のコラボレーションとしても大変秀逸な空間を生み出すことに成功した。
 コラボレーションが流行り気味の近年、互いを尊重し合ってこそ、初めてそのスタートラインに立てる、そういったことを今更ながら身をもって感じた公演であった。だからこそ、今回2公演終え、互いに手ごたえを感じた後の次の機会、「森の中のパレード」再演(万博時に開催予定)に、さらなる期待を寄せてしまうのである。
(11月7日 愛知県芸術劇場大ホール)