ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2004.09.10]
From Osaka -大阪-

初来日のハンガリー子供民族舞踊アンサンブル「チグセラム」

 ハンガリー舞踊と聞いて、クラシック・バレエに親しむ者としてまず思い浮かべるのは『白鳥の湖』や『コッペリア』の中で踊られるチャールダーシュ。7月から8月にかけて来日し、全国21ケ所で公演を行った「チグセラム」の舞台を観て、「バレエに挿入されているチャールダーシュは、確かにこれを元にしているようだけれど、かなり違う部分があるな」というのが第一の感想だった。

「チグセラム」はハンガリー舞踊の第一人者ティマール・シャーンドル(ハンガリーで名前の表記は日本と同じ性・名の順)が団長兼振付家として率いる団体。彼はハンガリー出身の大作曲家バルトーク及びコダーイが音楽で行った収集・研究を舞踊の世界で実践した人。また、ハンガリー舞踊の教育法としてのティマール・メソッドを創り上げ、ハンガリー国内はもちろん、世界中で講習会を行っており、来日回数も50回を超えるそうだ。「チグセラム」の他に大人の舞踊団「ティマール・カマラ」の団長でもある。
「チグセラム」は350名を超える大所帯の舞踊団、その中から選び抜かれた11歳~17歳の男女18名の子どもたちと、大人の踊りを披露するために19歳以上のメンバーが来日。トピックスはその中のソリストに日本人が居たこと。京都大学理学部在学中に民族舞踊に魅せられた鈴木仁で、2000年に単身ハンガリーに渡り、現在では「チグセラム」と「ティマール・カマラ」の正式メンバー。外国人がソリストになるというのは極めて異例、男性特有のダイナミックなパートも引けを取らずに迫力を持って踊っていた。

 舞台全体を通して、とにかく素朴で可愛いものが多い。女の子たちは膨らんだカラフルな膝丈のスカート、クルッと回るとさらに可愛く広がる。後ろで三つ編みにした長い髪につけたリボンが揺れる。男の子は基本的に白いシャツに黒いズボン、黒いベスト。日本の“かごめ”のように手を繋いで輪になって回ったり、ワインの瓶や棒を使ったり、小さな布を持って踊ったり。
 男性の踊りでは、パチパチと脚のあちこちを手の平で叩いて音を出しながら激しく踊るところが印象的----この辺り、バレエに挿入されているものとは大分印象が違う。
 全体的に明るい感じの踊りが多く、子供たちが笑顔を振りまいて楽しそうに踊っていたので、こちらまで幸せな気分になることが出来た。(7月4日~8月7日 全国各地)