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ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2014.02.10]

みんなが楽しみにしているニュ-ヨーク・シティ・バレエのバランシン版『くるみ割り人形』

New York City Ballet ニュ-ヨーク・シティ・バレエ団
George Balanchiine's "Nutcracker" 『くるみ割り人形』ジョージ・バランシン:振付

毎年恒例の、 ニューヨーク・シティ・バレエの「ジョージ・バランシンズ ザ・ナッツクラッカー」が、11月29日から1月4日まで、リンカーンセンターで上演されました。この公演は、ニューヨーカーだけでなく、世界中から訪れる人が楽しみにしているので、今では毎年、チケットが手に入りにくくなっています。私は12月10日に観劇しました。

ny1402a_01.jpg photo/Paul Kolnik

1回の休憩をはさんだ2幕で構成で、バランシン版では一般的にクララにあたる少女はマリーとなっています。印象に残ったところを書きます。
第一幕の最初は、舞台一面に張られた大きな薄いスクリーンに、夜空と街の風景が描かれ、音楽の演奏だけが流れていました。
大勢の子供たちが親たちに連れられて、マリーの家のパーティにやってきました。みんなツリーの周りに集まりました。黒いマントを着たドロッセルマイヤー老人がでてきて、大きな箱をプレゼントしました。その中から男女のペアの人形が2人出てきて、パ・ド・ドゥで踊りました。可愛らしい、人形らしい踊りです。
そしてマリーはくるみ割り人形をプレゼントされました。
パーティーの後、夜も更けて皆が去り、マリーはツリーの近くのソファーでくるみ割り人形を抱いて寝てしまいました。
時計が、夜中の12時の鐘を打つと、ツリーが上に上に大きくなっていきました。マリーが人形のように小さくなってしまったという設定を表現しています。
ねずみの群れとねずみの王がでてきて、おもちゃの兵隊たちと戦いました。頭が7つついているねずみの王を、くるみ割り人形が倒しました。
くるみ割り人形はリトルプリンスの姿に変わっていました。そしてリトルプリンスは、マリーにねずみキングの王冠を渡しました。
第一幕最後は、有名な雪片の踊りのシーンです。雪の精たちのコール・ド・バレエが踊るとても美しいシーンです。雪の精が1人、また1人と踊りながら次々にでてきて、舞台を通り過ぎていきます。だんだん、大勢がでてきます。両手にぼんぼりのようなものをもって、4人ずつ、8人ずつなどのダンサーたちが踊り、重なっていきます。やがて16名になって踊りました。とても速いテンポで、軽快で美しく音楽もステキ。まさに雪の精が出てくるシーンにピッタリです。
雪が降り続け強くなってきて、舞台にはきらきらした粉雪が舞いました。

ny1402a_04.jpg photo/Paul Kolnik

第二幕はお菓子の国のシーンです。
金平糖の精(シュガープラム)に、マリーとリトルプリンスが招かれました。金平糖の精はレベッカ・クロンがソロで踊りました。かわいらしい鉄琴の有名な曲です。妖精が出てくるとしたらこんな感じだろうなと想像がふくらむような、ピッタリの音楽です。白いパニエの衣装で、右手に、スティックの先に星がついたものを持っていました。
大勢の子供たちのエンジェルが、オルゴールの人形かツリーのオーナメントのような可愛らしい白い衣装ででてきて、とても可愛らしく、観客はどよめいて受けていました。絵になる情景でした。
いろいろな国のお菓子の踊りが披露されていきます。
ホットチョコレート、コーヒー、お茶の踊りが続きました。特に印象に残ったのは、コーヒーの踊りで、女性ソロ(サバンナ・ローリー)で、アラビア風でとてもセクシーで、大きな拍手をもらいました。キャンディー・ケーンは、男性ソロをダニエル・ウルブリヒトが踊りました。直径1メートルくらいの大きなフラフープを使い、縄跳びのようにして14回もくぐりぬけて、すごかったです。ここも拍手でした。マジパン、ジンジャー母さんと道化たち(子供たち)の踊りが続きました。デュードロップは、タイラー・ペックが踊りました。軸が安定していて余裕がありました。
花のワルツは、ピンクの3段パニエを着た3名の女性ダンサーがセンターで踊り、その周りでコール・ド・バレエで14名が踊りました。大勢で、迫力があり、盛り上がりました。ソロの女性はとてもスピードがあり、静止もぴたっと上手で、重心の軸も安定していて、表情も良かったです。
金平糖の精のレベッカ・クローンとリトルプリンスのアマール・ラマサールのパ・ド・ドゥはとても美しかったです。特に、クローンがアラベスクをしたまま静止して、男性が女性をまっすぐに、1メートル以上も床を引きずって引っ張っていったところが印象に残りました。ラマサールは軽々とした動きで、ヴァリエーションのジャンプも高く、素晴らしかったです。クローンのヴァリエーションは丁寧な踊りなのにすごいスピードがありました。
フィナーレは再びみんなが登場。マリーとリトルプリンスは、最後に、トナカイのそりに乗って、舞台の宙に上がっていきました。
(2013年12月10日夜 David H. Koch Theater)※写真は記事当日のものではありません

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ny1402a_02.jpg NYCB『くるみ割り人形』photo/Paul Kolnik