ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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ブルーシャ西村 text by BRUIXA NISHIMURA 
[2013.09.10]

世界中で様々のジャンルに発展しつつあるタップ・ダンスが一堂に会して踊られた

“Tap Internationals”: global rhythms
「タップ・インターナショナルズ」:グローバル・リズムズ
American Tap Dance Foundation presents
アメリカン・タップ・ダンス・ファンデーション

毎年夏に恒例のタップ・シティ(ニューヨーク・タップ・ダンス・フェスティバル)のレポートです。タップ・シティはニューヨークで数日間、タップ・ダンスの様々な公演が行われるフェスティバルで、2001年から始まりました。

ny1309a05.jpg photo by Debi Field.

今年のタップ・シティは、7月6日から13日まで行われました。今回はその中のメインイベントの一つ、「タップ・インターナショナルズ」:グローバル・リズムズを見ました。7月11日夜の公演です。
1800年代からアメリカで自然に生まれ始まったタップ・ダンスは、今ではアメリカだけではなく世界中に広がり、各地でタップ・ダンスを踊る人たちが増え続けています。今回の「タップ・インターナショナルズ」では、アフリカ、オーストラリア、ブラジル、カナダ、キューバ、ドイツ、インドネシア、フランス、日本、アメリカ合衆国の優れたダンサーたちが出演しました。
1986年に創立されたアメリカン・タップ・ダンス・ファンデーションが主催していて、そのエグゼクティブ・ディレクターのトニー・ワーグが、舞台上で挨拶しました。
「ニューヨークで2001年にスタートしたフェスティバルのタップ・シティは、最初はとても小さなフェスティバルでしたが、年々、反響が大きくなり、ますます発展していて嬉しいです。今では世界中からたくさんのタップ・ダンサーの友人が連絡をくれるようになり、交流が増えました。世界中にタップの輪が広がっていて、ダンサーたちがどんどん育っていて、とても素晴らしいです。驚くべきことです!」と語っていました。

ny1309a06.jpg Rumba Tap with Kazu Kumagai (photo by Amanda Gentile)
ny1309a07.jpg 熊谷和徳 Photo Leslie Kee

プログラムは、休憩をはさんで15作品の小品集でした。例年よりもとても多い出演者でした。音楽は主に生演奏でした。
オープニングは『グローバル・リズムズ』。出演ダンサーたち全員が順番に登場し、それぞれのリズムでしばらくタップのステップを打ち続け、少しずつ踊っていきました。全員が踊り終わると、舞台はそのまま次の小品集へと移りました。
世界の様々な国から、いろいろなジャンルのタップ・ダンスが上演されました。アメリカの黒人たちはファンク・ジャズに乗ってリズム・タップを踊り、ブラジル人はボサノヴァやサンバに乗ってラテン的なリズムで複雑なタップを刻み、キューバ人はタップと共に少しサルサの振付を加えて踊っていました。南アフリカのチームは、大勢でゴム長靴をはいて出てきて、それをタップシューズの代わりのように使って音を出し、タップを踏んで踊りました。 
それぞれのお国柄や文化的背景が現れていて、一口でタップ・ダンスといっても様々なことを吸収しながら枝分かれして、様々なジャンルに発展しています。その発展の最中にあるのが現代のタップ・ダンスなのだなと感じました。
日本人ダンサーたちも活躍していて、熊谷和徳、岩堀ちかこ、塩沢アスカが出演しました。
熊谷和徳は今回で10回目の出演です。ソロで自身の振付作品を踊りました。ギターとピアノの生演奏に乗って、とても細かくコントロールが効いた足さばきで、繊細で丁寧なタップでした。細かく小さな音から激しく大きな音まで、ステップの音の強弱が大きく、とても迫力とメリハリがある踊りでした。

ny1309a08.jpg ブレンダ・バッファリーノ  photo  Lois Greenfield

アメリカン・タップ・ダンス・ファンデーション創設者の一人で世界のタップ界の大御所、ブレンダ・バッファリーノも出演しました。ストーリーテリングしながら、少し歌い、マイクを置いてタップを踊りました。とても柔らかく細かい、繊細なタッチの独特なタップです。細かいところまで丁寧に完璧にコントロールされたステップで、女性らしい柔らかい、個性的なタップを踊るダンサーです。途中から速いテンポのビー・バップでも踊りました。70代の現在も健在。素晴らしかったです。
プログラムにはありましたがフィナーレ恒例の「シム・シャム」は上演されませんでした。おそらく演目が多く、時間オーバーになったのではないでしょうか。主催者のできるだけ世界中の多くの素晴らしいダンサーに出演してもらいたい、という配慮が感じられて、たくさんのダンサーと演目を詰め込んだ公演でした。とても温かい雰囲気の人々で、素晴らしいフェスティバルなので、今後もますます育って、規模が大きくなっていくことでしょう。
(2013年7月11日夜 シンフォニー・スペース)

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All photo are by Debi Field.