ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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皆様、こんにちは。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 ニューヨークは今季は暖冬気味ですので、例年に比べると過ごしやすいです。

何回観ても楽しいNYCBのバランシン振付『くるみ割り人形』

New York City Ballet
ニューヨーク・シティ・バレエ
George Balanchine “ The Nutcracker ”
ジョージ・バランシン『くるみ割り人形』

11月27日から1月3日まで、ニューヨーク・シティ・バレエの『くるみ割り人形』の公演が行われました。ジョージ・バランシン振付の作品で、2幕で構成されています。音楽はチャイコフスキーです。
この作品は毎年ニューヨークの冬の風物詩となっている欠かせないものです。子供連れのご家族が観劇できるように昼の部や夕方6時からの公演日がたくさん用意されています。私が観劇したのは12月9日夕方6時からの公演です。会場には、ワンピースなどで可愛くおめかししてもらった子供たちの姿がたくさんあり、微笑ましかったです。

ジョージ・バランシンの振付と演出では、主人公の少女マリーと少年フリッツは子供が演じます。彼らは演技程度で、ほとんど踊りません。
マリー役はマリア・ゴロコフ、フリッツ役はジェレミー・ウォングです。金平糖の精はサラ・メアンズ、そのお相手はジョナサン・スタフォードです。ドロッセルマイヤー老人はゲスト・アーティストのカイル・フローマンです。
 

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第一幕では、シュターバウム家で大勢が家族連れで集まり、パーティを開いているシーンから始まります。ドロッセルマイヤー老人が床に置かれた大きなプレゼントの箱を開けると、人形2つが飛び出して踊り、くるみ割り人形も続いて飛び出して踊りました。マリーはドロッセルマイヤー老人からくるみ割り人形をもらいました。
夜、みんなが帰ってみんなが寝静まった後、マリーはこっそり、ベッドに寝かせたくるみ割り人形を見にきました。そのままそこで寝てしまって、母親が心配して探しに来て見つけてくれて、マリーに大きなショールをかけて去っていきました。
夜中の12時の時計が鳴ったら、みるみるうちに舞台上のクリスマスツリーが伸びて巨大になりました。マリーの身体が人形と同じくらいの大きさになったことを表現しています。

ねずみたちがたくさん出てきて、おもちゃの兵隊と戦います。王冠をつけたねずみの王様も出てきて、戦いは続きます。くるみ割り人形がネズミの王様を倒して、その王冠を手にとり、持ち上げると、だんだん舞台上が家の中の大広間や家具やツリーがひとりでにスルスルと動いて舞台から下げられていき、雪が降って積もっている外の林の舞台セットへと変わっていきました。これは薄い水色から白の林のセットで、とてもきれいです。
その舞台上にベッドの上のマリーが残り、くるみ割り人形はねずみの王様の王冠を手に持ち上げたまま横ばいに一歩一歩マリーの方へ歩いてきてきて、突然、一瞬で衣装とマスクがはがされて消えて、王子の姿に変わりました。このシーンは、王子の表面に細いヒモのようなものが付けられたくるみ割り人形のマスクと服を着けていて、舞台ソデからそのヒモを一瞬でさっと引っ張って衣装とマスクをはがしている様子でした。
そして王子は、ベッドの上のマリーにその王冠をプレゼントしました。
続いて有名な雪の精の踊りがありました。ニューヨーク・シティ・バレエでは雪の精たちは、大勢が手に扇子状に棒が開いたものに大きめのボンボンがたくさんつけられたものを、手に持って踊ります。雪がたくさん舞っている中、ブルーから白の照明と舞台セットの背景で16名の雪の精たちが踊り、とても美しいです。ため息が出そうなほどきれいで、目に焼きつくシーンです。
 

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第2幕では、お菓子の国にマリーを連れてきた王子は、金平糖の精にマリーを紹介して、今まで起こったこと、ねずみと戦って王様を倒したことを身振りの演技で伝えました。そして彼らプリンセスとプリンスはお菓子の国の、舞台上の後ろに用意された高段の椅子に座ってみんなの踊りを見物しました。たくさんの子供が扮しているエンジェルもでてきました。
ホットチョコレート(スペインの踊り)は大勢で、男女とも茶色と水色の衣装できれいでした。カスタネットを手に持って鳴らして踊りました。 コーヒー(アラビアの踊り) はケイトリン・ジリランドがソロで踊り、とても美しくセクシーでした。フィンガーシンバル(ジル)を手に持って鳴らしながら踊っていました。最後は舞台上で少しずつ両足を立てにすべらせて開いて沈んでいき、180度開脚して終わりました。すごい拍手でした。
お茶(中国の踊り) は男性一人、女性2人がジャンプをしたりアクロバットな踊りをしました。キャンディーケーン(赤白でつえの形をしたキャンディ)は、大勢の子供と、白地に赤いストライプのピエロ風の男性一人がでてきました。この男性がフラフープで二重飛びをしたりアクロバットな踊りで楽しそうでした。マジパンは、チュチュの上にお花をたくさんつけて手に横笛を持った女性が大勢踊りました。とても可愛らしく華やかなシーンでした。
次は花のワルツ。ピンクのシフォンのドレスで、スカートは長めの丈で3段でしたので、バレリーナたちが動くたびにふわっと開いて優雅なお花のようでした。ソロ(デュードロップ)は アナ・ソフィア・シェラーでした。 これは衣装も含めてとても美しいシーンで目に焼きつきます。
ジンジャーかあさんと道化(ジンジャーブかあさんと子供たち)は、ニューヨーク・シティ・バレエでは大掛かりな装置と衣装で有名で、見所の1つです。 ジンジャー母さんの衣装は黄色いスカートが大きな装置で、すごく重いそうです。そのスカートの上に彼女の胴体だけが上に出ていて、中にたくさんの子供が入っていて横に動いてきます。中から子供たちが次々に飛び出して踊り、またスカートの中に入って消えました。すごい拍手でした。

最後は金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥで、第2幕で一番盛り上がるシーンです。サラ・メアンズ、そのお相手はジョナサン・スタフォードで、さすがとても上手で美しかったです。回転やジャンプなど大技も披露しました。すごい拍手で包まれました。その後はフィナーレでしめくくられました。
何度観ても素晴らしい感動につつまれる作品です。いつも、観に来てよかったと思います。
(2009年12月9日夜 ニューヨーク・ステート・シアター)

Photo:(C)Paul Kolnik
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