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ニュ−ヨーク・シティ・バレエが4本のバランシン作品を上演

New York City Ballet
George Balanchine:"Concert Barocco" "Tschaikovsky Pas de Deux"
 "La Valse" "Symphony in Three Movements"
ニューヨーク・シティ・バレエ
ジョージ・バランシン『コンチェルト・バロッコ』『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
『ラ・ヴァルス』『シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ』

今年10月に5年ぶりに来日公演を行うニュ−ヨーク・シティ・バレエ団が、4月28日から6月21日までリンカーンセンターのステート・シアターで公演中です。
まず初日の28日の公演は小品集でバランシンの4つの作品が上演されました。
『コンチェルト・バロッコ』は、バッハの曲「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」を使って、ジョージ・バランシンが振付けた1941年の作品です。この作品は、アメリカのクラシック・スタイルの3つの要素、詩的、アスレチックで音楽的なものが表現されています。
プリンシパルのウェンディ・ウィーラン、アルバート・エヴァンス、ソリストのエレン・バーが踊りました。
初めに白いレオタードと短いスカートの女性ダンサーたち8名が登場。バロック音楽に乗り、ウェンディがでてきてセンターで8名の群舞をバックに踊りました。そしてエレンも登場してパ・ド・ドゥを踊り、アルバートも加わりました。優雅なゆったりとした踊りで、最後は全員で美しくポーズをとって静止して終わりました。
 

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『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』は、チャイコフスキーの曲を使って、バランシン振付けた1960年の作品です。もともとはチャイコフスキーが『白鳥の湖』のパ・ド・ドゥために作曲した曲で、1877年の初演から半世紀以上後に『白鳥の湖』の完全なオリジナルスコアが発見され、その中には失われていたパ・ド・ドゥの曲がありました。バランシンはこの歴史的な発見を知り、彼のオリジナルの振付でこの8分間の曲を使う許可を得ました。
プリンシパルのゴンザロ・ガルシア、ソリストのアナ・ソフィア・シェラーが踊りました。ゴンザロはグレーがかった水色のタイツとシャツ、ベスト、アナはサーモンピンクのシフォンワンピースで登場しました。ゆったりとした優雅な音楽です。リフトも多く、男性が女性を上で抱きかかえて女性が上半身を下にして足を上げて静止しているところもあり、きれいでした。次に男性がソロで大技、大ジャンプなどを披露しました。そして女性ソロは、グランバットマンとパッセを早く繰り返していて、可愛い振付でした。
再び男女一人ずつ交互に、少しずつ大技を披露していきました。そして女性はピルエットを繰り返し、男性は大ジャンプ、ピルエットをしました。最後はリフトで女性を持ち上げて静止して終わりました。

『ラ・ヴァルス』は、ラヴェルの曲を使って、やはりバランシンが1951年に振付けた作品です。
プリンシパルのジャニー・テイラー、セバスチャン・マルコヴィッチ、フィリップ・ニール、ソリストのアントニオ・カルメナ、レベッカ・クローン、テイラー・アングル、シーン・スオッジが踊りました。
2つの大まかな構成で、最初は8つの短いワルツの曲で踊りました。舞踏会のワルツ風の踊りで、足よりも手の表現が多く見られました。衣装は、女性たちは足首までの長さのピンクや白のビスチェのロングドレスで、男性は黒のタイツとジャケットでした。印象に残ったところは、男女が2人で静かに、少しずつ手探りで探るようにお互いに近づいていき、リフトで女性を抱えて、女性はつま先で床を蹴って飛び上がったりして、消えていったシーンです。またシェネで登場して、激しく踊るところも面白かったです。
次は、華麗な群舞が主体で、物語が感じられるような踊りです。女性がすごく嫌がっているところを男性が無理やり2人で踊って、女性が倒れて男性がすっと消えたところもありました。
ラストは、みんなが集まって男性が女性を持ち上げて回転させるシーンで幕が下りました。
 

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『シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ』は、音楽はストラヴィンスキー、バランシン振付の1972年の作品です。ニューヨーク・シティ・バレエのストラヴィンスキー・フェスティバルのためにバランシンがいくつかの作品を振付けましたが、この『シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ』はその中の傑作の一つとされています。
3つの場面のよって構成されています。衣装はレオタードです。
出演したのは、プリンシパルのスターリン・ヒルティン、アビ・スタフォード、ダニエル・ウルブリヒト、ジャレド・アングル、ソリストのサヴァンナ・ロウェリー、アドリアン・ダンツィヒ=ワリングです。
初めは、現代的な振付でジョギングをしているようなシーンもありましたが、女性たちはトウシューズをはいていてクラシック・バレエ・ベースのダンスでした。
次も個性的な振付で、男女のパ・ド・ドゥでしたが、たとえば2番ポジションでプリエしてそのまま足元を内股に戻すといった振りを繰り返していました。
最後は全員の踊りで、最初は男女5組が出てきて踊りました。そして女性3名がでてきて、やがて男女8組で踊りました。
そして組み体操のように全員で寄って静止して終わりました。
(2009年4月28日夜 ニューヨーク・ステート・シアター)