ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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 2009年、本年もよろしくお願い申し上げます。今年も、クラシック・バレエ公演はもちろん、ニューヨークならではの面白そうなダンス公演を厳選してレポートさせていただきたいと思います。
 ニューヨークは冬本番の到来で、氷点下が続いて雪が積もったり凍ったりしています。ダンス公演が活発になるホリデーシーズンなので、冬支度で観劇に出かけています。

ジャン・ビー & アーバン・ブッシュ・ウーマンの迫力あるダンス

 11月にカンパニー・ジャン・ビー & アーバン・ブッシュ・ウーマンによる、『ザ・スケールス・オブ・ザ・メモリー』の公演が、BAMのハワード・ジルマン・オペラ・ハウスにて行われました。この2つのカンパニーは、2004年2月から、コラボレートで作品を作ることを始めたそうです。黒人ダンサーたちのダンス公演で、休憩なしのノンストップで、1時間半ほどの作品でした。

 カンパニー・ジャン・ビーは、トラディショナルとコンテンポラリーのアフリカン・ダンサーたちのインターナショナルセンターで、1998年、セネガルのトウバブ・ディアラウで、最初のプロ向けのワークショップを行い、そこに参加したダンサーたちで結成されました。アーバン・ブッシュ・ウーマンは、このコラムでも以前、観劇してご紹介したことがあるカンパニーです。1984年に振付家のジャウォル・ウィラ・ジョ・ゾラーによって創立され、ニューヨークを拠点としています。

 男性と女性のダンサーで愛をテーマにした内容でした。アフリカがルーツの黒人のダンス・カンパニーなので、音楽は8分の6拍子のアフリカン・リズムが多く、振付は迫力がある土着的なイメージのものが中心でした。寝転がったまま大勢のダンサーたちが踊るところもありました。
 途中、7人の黒人男性ダンサーが踊るシーンは、激しく速いリズムの音楽にのって、激しい動きを繰り返すすごい迫力のものでした。激しく叫びながら動いていたところもありました。
 女性6人の踊りは、アフリカ人たちの踊りのような土着的なもので、両手をにぎりしめ、上を向いて口を開けてくるくる回ったり、激しく動いて胸をゆすらせていました。
 男性3人、女性3人で踊るところは、ヒップホップの振付も取り入れられており、それぞれペアになって、求愛を表すような踊りで男女がお互いに向かい合ってだんだん近づき、お互いの匂いをかぐしぐさをしていました。叫んだり奇声を発しながら激しく動き、ジャンプをくり返し、大暴れしていました。

 男性のソロは、頭2個分くらいの岩をかかえながら踊り、苦しみの様子を表していました。その岩を舞台真ん中に置くと、岩の周りにだんだんと波紋のようにすじが広がっていくような模様のライトが当てられました。水のせせらぎの音が流れ、その周りでその男性が踊り、岩の上に立ちあがったり、そしてまたその岩を大事そうに抱えて去りました。
 また男女が次々に出てきて求愛のようなダンスを踊り続け、最後は男女が大勢で出てきて、一人ずつ順番に男と女をアピールをしていきました。誰か女性一人が大声で叫んで、突然静かになり、深呼吸、"I accept."と言って終わりました。
(2008年11月22日夜 BAMハワード・ジルマン・オペラ・ハウス)