ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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 皆様、いかがお過ごしですか? 日本は猛暑だそうですね。ニューヨークも一時はひどい猛暑で体感温度39度と言われた日もありましたが、現在は割と涼しく過ごせています。夏バテしないように、お体にはお気をつけ下さい。
さて、夏季はニューヨークでは、街中で無料のコンサートやダンスを観ることが出来ます。かなり大御所も出演するので、夏にニューヨークにご旅行でお越しの方には、ぜひおすすめです。
私のおすすめは、以下の2つです。
River to River Festival
Lincoln Center Out of Doors

ニューヨーク・シティ・バレエの『放蕩息子』ほか

4月29日から6月29日までの2ヶ月間、リンカーンセンターのニューヨーク・ステート・シアターにて、ニューヨーク・シティー・バレエの春の公演が上演されました。

 今回私が観たものは、6月26日夜8時開演の、「ゼン・アンド・ゼア」、3つの小品集です。
第一部は『ゾウ・スウェル』で、ピーター・マーティンスによる振付で2003年初演です。プリンシパルのイボンヌ・ボリー、チャールズ・アスケガード、ジャレド・アングルら8名のダンサーたちが踊りました。舞台上にピアノ、ベース、ドラムスが出ていてミュージシャンのトリオの演奏(ジャズ)もありました。途中、男女2名の歌手もでてきて歌いました。もちろん普段のオーケストラも舞台下で生演奏をしていました。
ボールルーム・ダンスのような演出で、特に女性の衣装はとても豪華なイブニングドレスでした。色は黒と白を使っていて、それぞれ少しずつデザインが違います。このドレスがとても映えていました。衣装の効果が抜群によかったです。男女ペアで4組が次々に、ダンスを踊りました。
次に4名の女性が、ミニスカートにエプロンをつけて、白黒のウェイトレスの衣装ででてきて、トウシューズで踊ったところは、可愛かったです。
また男女ペアが一組ずつ踊り、静かなヴォーカルのバラードにのって、女性が足を上げるたびにシフォンのロングドレスのすそがヒラヒラと舞いました。女性1名と男性3名がラテンのリズムにのって踊ったところも、とてもカッコよかったです。
印象に残った踊りは、女性が男性の左肩に、仰向けに首を曲げて頭をひっかけて乗せて、脚を広げて、男性が支えて2人でクルクル回ったところです。ロングスカートがヒラヒラ舞ってきれいでした。
最後はフィナーレで4組全て出てきて、次々に踊り、一度に全員でも踊りました。

 

『放蕩息子』
第二部は『放蕩息子』で、ジョージ・バランシンによる振付、1929年初演です。3つのシーンで構成されています。
バランシンは、1924年にディアギレフに雇われました。29年、突然、ディアギレフが死ぬまでの間、バランシンはディアギレフのロシア・バレエ団のためにいくつかのバレエを創りました。『放蕩息子』は、バランシンがロシア・バレエ団に創った最後の作品です。そして、その年のパリ公演のオープニングで初演されました。私はこの作品の背景を知って、感慨深かったです。1920年代のパリの、ジャン・コクトーとディアギレフなどその周辺に憧れていたからです

 プリンシパルのホアキン・デ・ルスが、放蕩息子を演じました。
舞台の背景は壁いっぱいに大きなルオーの絵が張られ、そこには背景として海辺の風景が描かれていました。抽象的な背景でしたので、舞台の上で、観客のイメージが膨らみ、効果的で良かったです。衣装は大昔のもので、男性たちは短いスカートや褌のような感じでした。
全体は演劇的な内容を、踊りの振付けだけで表現していて、20年代に創ったとは思えないような、モダンな印象を受けました。クラシック・バレエだけの要素ではなく、変わったリフトもあり、まつわりついて最後に絡み合って座ったり、コンテンポラリー・ダンスのような振付もありました。

 第三部は『ブラームス=シェーンベルク・カルテット』で、ジョージ・バランシン振付1966年初演です。4つのシーンで構成されています。
アレグロは、プリンシパルのアビ・スタフォード、フィリップ・ニール他、多数の15名のダンサーが踊りました。舞台背景は壁いっぱいにセットの絵が描かれていて、奥は宮殿と広場でした。両脇に並木があり、上には4つの大きなシャンデリアが下がっていました。
女性5名がピンクのシフォンスカートのドレスを着て、男性4名も加わり、その真ん中で主役の2名男女がパ・ド・ドゥを踊りました。そしてシーンが移り、男女ペア4組と女性4名が群舞で踊りました。そしてまた、主役の2名男女がパ・ド・ドゥを踊りました。鳥をイメージさせるような音楽で、フィリップの踊りも鳥のような感じのシーンもありました。

 インターメッツォは、プリンシパルのスターリング・ヒルティン、スティーブン・ハンナをはじめ、5名のダンサーが踊りました。3名の女性ダンサーたちはピンクシフォンドレス(先ほどのドレスとは別のデザイン)ででてきて、同じ振付で3名で踊りました。主役の男女ペアは、ハンナはグレーのタキシードとタイツで、ヒルティンはピンクのスカートの上からグレーっぽいシフォンのスカートがかぶさったようなドレスでした。ヒルティンのソロではグランフェッテ6回転したときに拍手が起こりました。3拍子の音楽にのって、とても早い動きのパ・ド・ドゥでした。

 

『ブラームス=シェーンベルク・カルテット』
アンダンテは、プリンシパルのイボンヌ・ボリー、アンドリュー・ヴェイェッテをはじめ、17名のダンサーが踊りました。
12名の女性が上がグレーで下がサーモンピンクのスカートででてきて群舞で踊り、その真ん中で主役2名のパ・ド・ドゥが多かったです。たくさんの女性が同時に同じ振りで踊るので、大迫力でした。

 ロンド・アラ・ジンガレーゼは、プリンシパルのチャールズ・アスケガードをはじめ、18名のダンサーが踊りました。女性たちは頭に花飾りをつけ、グレーからサーモンピンクのヒザ上のギャザーワンピース、男性たちは平べったい帽子をかぶっていました。先ほどと同じように、後ろに群舞があり、その真ん中で主役の2名がパ・ド・ドゥで踊り、大ジャンプなど大技もありました。途中、2人は、男性たちみんなに周りを囲われていたところが印象に残っています。