ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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 皆様こんにちは。お元気ですか?
ニューヨークでは、ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)の春の公演シーズンの真っ最中、6月29日まで2ヶ月間行われています。この時期にニューヨークにお越しの方は、ぜひ、ご覧になってみてください。詳しくは、ホームページを。
http://www.nycballet.com/nycb/home/

また、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の春の公演シーズンも始まりました。5月19日から7月12日まで約2ヶ月間行われます。こちらも、詳しくは、ホームページをご覧下さい。
http://www.abt.org/default.asp

ニューヨーク・シティ・バレエの「オール・ロビンズ・プログラム」

4月29日から6月29日まで、リンカーンセンターのニューヨーク・ステート・シアターにて、ニューヨーク・シティ・バレエの春の公演が開催されています。
今シーズンは、ジェローム・ロビンズ生誕90年記念ということで特集が組まれていて、彼の振付作品が33作、上演されています。ロビンズは、バレエ、ダンス振付家、演出家、映画監督として知られ、トニー賞、アカデミー賞の受賞歴があり、NYCBの芸術監督を務めました。

『ウォーターミル』
私はまず今シーズンは、5月3日夜8時からの公演を観に行きました。オール・ロビンズ・プログラムのシーズンズです。
上演が始まる前に、舞台前方に大きなスクリーンが現れ、ロビンズの映像が流れました。そして、上演作品の『ウォーターミル』のリハーサルの映像も映し出されました。

一つ目の作品は、『ウォーターミル』です。主演ダンサーは、ニコライ・ヒュッベです。他の中心的なダンサーたちは、ケイトリン・ギリアンド、ザチャリー・カタザロ、マシュー・レンコ、アダム・ヘンドリクソンです。テイジ・イトウ作曲の日本の和楽器を使った音楽を使った生演奏でした。お琴や尺八など、6名の音楽家たちが舞台上手前方で演奏していました。歌もありました。

『ウォーターミル』
これは、普段のNYCBのイメージからは想像がつかないような、非常に前衛的な作品でした。振付らしい振付はほとんど無く、何がいいたいのかよく分からないような作品でしたので、とても驚きました。じっと止まっていることも振付の一部なのかと思うくらいスローな展開でした。主演のヒュッベは、最初のうちはじっと寝ていたり座っていたり、周りをボーっと見つめているだけでした。

珍しく、「NYCBでもこんな作品を上演するのだなあ・・・」と拍子抜けしてしまいました。せっかくポテンシャルの高いNYCBのダンサーたちの肉体が全く生かされていないような、そのへんのダンサーでも誰でも踊れるようなダンスのように思えたので、ちょっともったいない思いがしました。(私は昔バレエを学んでいたので、どうしても、その振付はどのくらいの難易度なのかとか、オリジナリティーはどうかとか、いろいろと考えながら観てしまいます。)

きっと、この作品を作った1972年当時には、NYCBとロビンスにとって非常に冒険的な作品だったに違いありません。それほど、私はビックリしてしまいました。

背の高いススキが舞台上に立っていて、三日月がでてきたり、日本のお能をイメージして作られたそうです。
途中、男女が絡み合ったあと、全身毛むくじゃらの獅子舞のような怪物が出てきて、人々を襲っている様子でした。
最後には、長い竹ざおの先に大きな丸いちょうちんをぶら下げた男性が4人出てきました。

『ザ・フォー・シーズンズ』冬
休憩をはさんで後半は、1979年初演の作品『ザ・フォー・シーズンズ』。こちらは、クラシックバレエの振付です。主な出演ダンサーは、Winter: アントニオ・カルメナ、メーガン・フェアチャイルド、シーン・スオッジ、Spring: サラ・メアンズ, ジャレド・アングル、Summer: レベッカ・クローン、テイラー・アングル、Fall: アシュリー・ボーダー, ベンジャミン・ミルピード, ダニエル・ウルブリヒトでした。

振付、衣装ともに、とても美しいものでした。四季が移り変わっていく様子が、衣装と振付で表現されていて、舞台後ろの壁も四季ごとに照明で色が変わり、全体に視覚的にも美しかったです。音楽はジュゼッぺ・ヴェルディです。

冬は、全員白い衣装でした。女性たちはブルブルと寒がっている様子で、両手を胸の前でクロスさせて両肩にあててふるえたりしていました。男性たちは、女性たちを寒がらせているような振付で、吹雪か木枯らしを表現しているようでした。寒い冬の様子がよく出ていました。客席からは、その可愛らしい様子にクスクスと笑い声が聞こえてきました。

『ザ・フォー・シーズンズ』春
春は、全体にクリーム色から薄黄緑色の衣装でした。女性たちはシフォン・ベビードールワンピースで、男性たちもシフォンのブラウスとタイツでした。衣装だけでも、春の訪れ、柔らかい木漏れ日が目に浮かぶような優しい雰囲気が感じられました。女性たちは、お花が咲き始めた野原を舞って遊んでいるような、楽しそうな様子がよく出てました。男性たちも、コミカルな振付で、客席は受けていて大笑いしていました。さきほどの冬のシーンと、がらっと印象が変わっていました。

夏は、全体にオレンジ色っぽい衣装で、女性たちはオレンジのシフォン・ワンピースでした。ゆったりしたリズムの曲で、アラビア風の手の振りでした。

秋は、薄ピンク色から薄紫色の衣装でした。全身タイツで耳がついた動物役の男性(ダニエル)が登場し、早いリズムで、前転や動物っぽい動きを繰り返して、コミカルに踊りました。アクロバティックでジャンプの多い振付でした。これには、客席もとても受けていて、みんな笑っていました。他の男女のパ・ド・ドゥもコミカルな感じで、15回転など大技もでてきました。秋の木の実がなって地面には落ち葉があるような、森の様子が思い浮かぶようなシーンでした。そして、最後は全員によるフィナーレで締めくくられました。