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スティーブン・ペトロニオ・カンパニー

4月1日から6日までジョイス・シアターで、スティーブン・ペトロニオ・カンパニーの公演が開催されました。以前にもこのカンパニーの公演はレポートしたことがありますが、1984年創立のカンパニーでニューヨークをベースに、26カ国で公演しています。ディレクターのスティーブン・ペトロニオはニュージャージー出身で、ニューヨークのトリシャ・ブラウン・カンパニーに1979年から86年まで在籍していました。


今回の公演は、3つの作品の小品集で、世界初演の作品が2つありました。
世界初演のひとつ、『ビューティー&ザ・バート』はフィッシャー・スプーナーのオリジナル音楽で、ミックスはスティーブ・ステインによるものです。リズムが一定ではない音楽で、ナレーションが時々入っていました。
“I was in the beach,”というナレーションが始まり、ビーチで男女が出会っていく様子を、ナレーションに合わせた振付で表現していました。演劇のように、場面ごとに会話を動作で表すようなダンスです。
男女のカップルが次々に3組でてきたり、ソロから二人、三人などの小さなグループごとに、同時にバラバラな振付のところが多かったです。たくさんの場面が、同時進行で繰り広げられるような感じです。それぞれ、相手と会話をしているような踊りで、詩的な作品でした。

『ブルーム』は2006年の作品で、以前レポートしたことがあるので詳細は省きます。生のコーラス隊が大勢でてきて、ハミングではもりながら、録音の音楽とあわせて歌っていました。オリジナル音楽は、ルフス・ウェインライトです。
女性ダンサーたちはキャミソールのミニ・ワンピース、男性はロングパンツとノースリーブの衣裳でした。こちらの作品もリズムが一定ではない音楽を使ったものです。
振付は、手やひじを伸ばしたままブンブンと振り回す動きが多く、リリース・テクニックの影響がありました。足はほとんど上に上げずリフトもなかったですが、すごくきれいでした。

『ディス・イズ・ザ・ストーリー・オブ・ア・ガール・イン・ザ・ワールド』も世界初演でした。5つの場面で構成された、長い作品です。振付は全体的に、他の作品と似たような感じでした。
最初の場面は、静かでゆっくりした音楽が流れていました。これはアントニーの音楽です。副題は、“Bird Gerhl”で、女性3人が戯れて語っているような様子の振付でした。衣装は、形がそれぞれ違う、黒のシフォン・ミニ・ワンピースです。
2つ目の場面は、“For Today I am a Boy”という副題で、一見男性かと見間違うような、スキンヘッドの大きな黒人女性ダンサーがソロで踊りました。
3つ目の場面、“Candy Says”では、カラフルな大きなシャツを着た、男女それぞれ二人のダンサーが出てきました。音楽は、ルー・リードのものです。最初は女性2人と男性1人で同じ動きを揃って踊った後、その後は二人ずつ同じ振付を同時に踊りました。このカンパニーの特徴だと思いますが、全体的に、バラバラなリズムの振付でした。
4つ目の場面は“Snap”で、音楽はなく、ダンサーのセリフがありました。黒いブラとパンツだけの、すごくスッキリした衣装の男女二人が踊りました。動きながら二人同じセリフを同時に言いながら、踊っていました。“I don‘t feel well”というセリフもあり、機嫌が悪い様子を動きで表現していました。
5つ目の場面は、“Girl in a World”で、音楽はニコ・ムーリーです。リズムがないストリングスの音楽で、素早い振付でリズムが一定でない動きなので、詩的な印象です。振付自体は、クラシック・バレエ・ベースのコンテンポラリーで、リリーステクニックを多用しています。この公演全体を通して、振付は似ているものが多かったです。パントマイムのような、何か物語りを感じさせる振付も最後の方に出てきて、面白かったです。