ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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 皆様、こんにちは。もうそろそろ春が近づいてきましたね。
今月号の目玉は、「スターズ・オブ・21世紀」という、毎年恒例のバレエのイベントです。
世界の主要なバレエ団のプリンシパルを一堂に招聘して、世界水準のバレエを一晩で鑑賞できるという、夢のような競演です。

ニューヨーク・シティー・バレエの4つの小品集

ニューヨーク・シティー・バレエ冬の公演が、リンカーンセンターのニューヨーク・ステート・シアターで行われました。
私が観に行った1月23日の公演は、4つの小品集でした。世界初公演で『Oltremare』が上演されるのでこの日を選びました。

『パリのアメリカ人』は、2005年5月初演の作品です。一人の男性画家と、男女の3人が主人公です。プリンシパルは、ティラー・ペック、ダミアン・ウォーツェル、サラ・メアーンズです。大勢の男女のダンサーたちも出てきます。振付はクリストファー・ウィールドンで、音楽はニューヨーク生まれの作曲家ジョージ・ガーシュインの作品です。
この作品は、男女の出会いから始まる物語になっています。舞台の真ん中にかかった紗幕の向こう側が薄く透けている状態で、手前側と向こう側の、両方でダンサーたちが踊って、2重の場面を同時に構成していました。現代的な演出で面白かったです。

『Valse Triste』は、1985年5月初演の作品で、ピーター・マーティンスの振付です。男女のパ・ド・ドゥで、ダルシ・キスラー、ジェアド・アングルが踊りました。静かでゆっくりした曲に乗って、優雅で楽しそうな振付でした。美しかったです。

世界初演の『Oltremare』は、14名のダンサーたちが踊りました。振付は、マウロ・ビゴンゼッティで、バレエベースのコンテンポラリーのような踊りです。プリンシパルは、マリア・コワルスキー、ティラー・ペック、タイラー・アングル、アマール・ラマサールです。
洋服にスーツケースを持った大勢の男女が、ひとりずつ横に一列になって出てきて、上手から下手に歩いてきて、しゃがんで、止まって、また立ち上がって通り過ぎていきました。それが一連の流れになっていて、次々にずらずらと出てきて、同じ振付を繰り返していました。
そして、舞台後方にかかっていた黒いカーテンが開いて、みんな後ろに旅行かばんを置いて、その上などに半円になって座り、真ん中で男女一組がダンスシューズで踊りました。その後、みんな真ん中に出てきて、7組の男女が同じ振付で踊りました。
場面は変わって、男女のペアが次々にでてきて、激しいケンカのような踊りや、激情を表した様なメリハリのある踊りを繰り広げていきました。再び7組の男女が、激しくて速い曲で踊ったり、楽しそうな振付で踊りました。
そして、寝転がったまま動き始め、そのままで踊ったり、でんぐり返りをしたりしました。リズムのない、メリハリのある動きです。
その後はまた激しい踊りが次々と様々なペアで展開されました。面白い作品でした。

最後の『ロシアン・シーズンズ』は、2006年6月初演の作品です。12の場面からなる大作で、大勢のダンサーたちが出ました。衣装は、パジャマのようなカラフルな服を着ていました。音楽も変わっていて、ヴァイオリンのソロやソプラノ歌手の歌もありました。静かな歌とヴァイオリンでとてもきれいでした。

「Oltremare」