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ジョージ・バランシンの『くるみ割り人形』

 毎年恒例の、この季節の風物詩になっている、ニューヨーク・シティー・バレエの『くるみ割り人形』の公演が、11月24日から12月30日まで、リンカーンセンターで行われました。私もできるだけ毎年この公演を観に行っていますので、このコラムにもレポートを書かせていただきました。この公演は冬のニューヨークの名物なので、新しい読者の方々のためにも、できるだけ毎年レポートいたします。

 チャイコフスキーの音楽に乗せた、ジョージ・バランシン振付の作品です。1954年の初演以来、毎年上演を続けていて、今ではニューヨーク・シティー・バレエの伝統になっています。それだけのことあって、とても大掛かりな舞台セットと衣装で、豪華絢爛な、クラシック・バレエならではの舞台です。日本の皆様も、もし将来この季節にニューヨークにお越しの際には、ぜひ一度ご覧になってみてください。開演時間は、子供連れの方でも観やすいように通常よりも早い時間帯の、1時、2時、5時、6時の日が多く用意されています。会場は、可愛く着飾った子供連れがとても多いです。

シュガープラムフェアリー:
Jenifer Ringer

 途中で巨大に天井に伸びて、大きくなるクリスマスツリーは、なんと1トンもあります。マザージンジャーの衣装は、85ポンド(40キロくらい)もあるそうです。大掛かりな装置が多いです。出てくるダンサーたちも大人数で、子供のダンサーたちもたくさんいます。

 NYCBの演出では、主人公のプリンセスと王子は、小さな子供が演じています。8歳から10歳くらいの小さな子供のペアです。ですから、主人公の踊りはほとんどなく、演技だけです。主人公たちは、舞台の一部や端っこで、大人たちのフェアリーなどの踊りを観ているだけです。主人公の女の子の名前は『くるみ割り人形』ではクララが多いと思いますが、NYCBではマリーです。第二部のお菓子の国でも、マリーと王子は、リトル・プリンセス&リトル・プリンスと配役がプログラムに書かれ、後ろに備え付けられたイスにちょこんと2人で座って観ているだけです。



スノウフレークス

マザージンジャー

 一番好きなシーンは、第一部の最後の、スノウフレークスの踊りです。真っ白な雪に覆われた家の外の舞台背景で、たくさんの女性ダンサーたちが雪の結晶に扮して、真っ白な衣装で踊ります。両手には、白いボンボンが5つついた扇子の骨組みのようなものを持っています。たくさんの雪が舞台上から降り続けているので、とても綺麗です。このシーンは、何回観ても、本当に雪の妖精のようで美しいです。冬らしくとてもいいシーンだと思います。

 第二部は、子供が大好きなお菓子の国。舞台一面がお菓子の装置で覆われていて美味しそうなのか、会場の子供たちは、幕が上がっただけで“ワー”と歓声を上げていました。ホットチョコレート、コーヒー、ココア、キャンディーケーン、マジパン、マザージンジャーとその子供たち、デュードロップ、フラワーなど、色々な踊りが次々にありました。