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エリオット・フェルドのマンダンス・プロジェクト公演

5月31日から6月11日まで、バレエ・テックのマンダンス・プロジェクトの公演が行われました。バレエ・テックは、エリオット・フェルドが創立したダンス・カンパニーで、バレエ・スクールも持っています。以前この公演を見に行ってレポートしたことがありますが、その後、一時的にこのカンパニーは財政難でクローズしたということを、そのカンパニーの元ダンサーだった方から聞いていました。しかし、資金のメドがつき、また再開したのでしょうね。

私は今回の公演は違うプログラムのものを2回観に行きました。いくつかの小品集で、日によって上演される作品が違います。初日は、ミハイル・バリシニコフがゲストで『Mr.XYZ』という作品を踊る予定だったのですが、当日、怪我のため中止になり、彼は最後に舞台挨拶で出てきました。

『Op.Boing』は、今回初演の新しい作品で、舞台上に大きなトランポリンが斜めに立てられていて、ダンサーたちはそれにぶつかったりよじ登ったりしながら踊りました。新しい実験的な作品なのでしょう。

『プロヴァーブ』は、2004年初演の作品で、ソロの男性の踊りです。今回の公演で、この作品が一番面白かったです。真っ暗な舞台の上に、左右の手の平に電球をつけていました。手の平を身体の内側に向けて身体に光が当たっている状態です。立ち上がって動き始めても常に手の平は身体の方に向けられていました。照明のほとんど無い舞台で、この電球の光だけがボーっとダンサーを映し出していました。とても幻想的で、美しかったです。神秘的でもありました。舞台の後方だけに手の平の光を当ててみたり、時々客席に向かって光を当ててみたりしていました。ソプラノのような女性のヴォーカルやハープシーコードの伴奏で、教会のような音楽でした。この静かな音楽とダンスがとても合っていました。これは、拍手がとても大きかったです。

『ウガ・ブガ』は、今回初演の作品です。男性のダンサーのソロです。足のタイツにカンをたくさんぶら下げて、身体を揺らしてカンの音を鳴らしながら踊っていました。パーカッションの生演奏にのって踊りました。

『ディス・ダイイング・イズ・キリング・ミー』は、男女ペアの作品です。2人背中合わせでくっついて出てきます。男性が前を向いていて女性は後ろにいましたが、女性が身体を離れると、なんと女性は全裸で、男性だけが服を着ていました。そして女性は男性の周りをまつわりついたりくるくる回って踊ったりしていました。

『ア・ステアー・ダンス』には、ダンス・スクールの子供たちが出演していました。数人のダンサーたちで、舞台に置かれた5段くらいの横に長細い階段を使って、ずっと飛び跳ねながら登ったり降りたりしていました。最初から最後までエアロビのようにずっと等間隔のリズムでで飛び跳ね続けていたので、みんな汗びっしょりで大変そうでした。発想が面白いダンスです。

『ビー・ホールド・ザ・マン』は以前観てレポートしたものなので詳細は省きますが、これもとても面白い作品です。好評だったので再び上演しているのでしょうね。一人の男性が身体にいくつも電球をつけて出てきて、舞台はほとんど真っ暗でその男性だけがぼーっと浮かび上がり、天井から男性がつる下げられて、アクロバットかサーカスのような踊りです。迫力があって見ごたえがありました。


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