ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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●コンドルズ、ニューヨークで踊る

 2月24日、25日に、ジャパン・ソサエティーにて、日本のコンドルズの、『Mars』の公演が行なわれました。ずべて男性ばかりのダンスカンパニーで、学ランに身を包んでコメディーの要素も混ざった、面白い愉快な人たちです。会場のアメリカ人も大笑いを連発していて、大変受けていました。事前に地元の大手新聞に記事が載ったこともあり、会場は満員でした。公演の随分前から彼らの噂を聞いていて、「日本でも人気があるから、ぜひ観たほうがいいよ」と知人にも勧められました。海外でも認められて世界を股にかけて活躍している彼らについて、知っていただこうと思いました。

現代の日本を、風刺にしてうまく表現しており、ダンスだけでなく演劇、映像、人形劇、生演奏の要素も入った、独創的なステージングです。とても速いテンポで展開していき、ノンストップで休憩無しで、ハイテンションでした。ペルー、チリ、アルゼンチン育ちの振付家、近藤良平が1996年に結成した男性ばかりのカンパニーで、 99年の東京グローブ座公演でブレイクしたとのこと。2001年にアメリカで公演した際には、「日本のモンティー・パイソンだ」とニューヨーク・タイムズに絶賛されたほどです。酷評することも多いニューヨーク・タイムズが絶賛するなんて、とても珍しい、驚くべき快挙だと思います。
(オフィシャル・ホームページは、http://condors-jp.com)

2003年には、上海、シンガポール、ジャカルタ、パリ、メルボルンをめぐるツアーを行いました。韓国にも公演に行っています。積和不動産MASTのテレビCMの振付出演したり、カルビー「じゃがりこ」のテレビCMにも出演しています。主宰の近藤は、2002年の三池崇史監督のミュージカル映画『カタクリ家の幸福』の全振付を、2004年には音楽劇『ファウスト』の振付を担当しています。また、愛知万博プレイベントの振付演出も担当し、朝日舞台芸術賞も受賞。現在、波に乗っていて多方面から注目されていて、大活躍ですね。この勢いで、世界にはばたいてほしいと思います。応援しています。

衣装は主に原則として学ランで、モモヒキとババシャツや、アフロのカツラに上半身裸など、特異なものでした。ヤンキー、オタク、女子高生、サラリーマン、援助交際、携帯メールでの会話、流行のジャパンーズホラーなど、現代の日本の様子を切り取って表現しており、外国人の観客たちが今の日本を知ることができて、喜ばれると思います。

驚いたのは、彼らの使っている音楽の選曲で、渋く、素晴らしく凝った、センス抜群のものでした。60年代や70年代のオルガンジャズやジャズファンクのレア盤も多く登場している様子でした。私の知らない曲がほとんどでした。レア盤というのは、ロンドンなどの中古レコード市場で、廃盤になったアンティークのレコードが、時には1枚5万円、10万円で取引されるようなもののことです。私の意見では、ダンスにおいて、選曲はとても重要なことで、それによって公演のクオリティーを左右すると思っています。ダンサーや振付家は、専門が踊りなので、プロのDJほどには音楽にまで手が回らない様子もよく見受けられます。私はスペインのマジョルカ島に住んでいた頃、毎週レギュラーでクラブDJをしていたプロなので、なおさら、コンドルズの選曲の素晴らしさに大変驚きました。ダンス公演で、選曲に驚かされることはほとんど無いのです。日本からこのような人達が出てきたなんて、日本も捨てたもんじゃないなあと、元気が出ました。この選曲だけを取ってみても、例えばロンドンの観客も飽きさせずに、感心させることができるはずです。今後、ますますのご活躍を期待しています。