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●軽快でバラエティに富んだダンス、バレエ・メット・コロンバス

 5月25日から30日まで、ジョイスシアターで、バレエ・メット・コロンバスの公演がありました。1978年に結成されたオハイオ中心部のバレエ・カンパニーです。 1980年にはバレエ・メット・ダンス・アカデミーを創設、現在ではアメリカの5大プロフェッショナル・ダンス・トレーニング・センターの一つに数えられています。 現在の芸術監督はイギリス人のジェラルド・チャールズです。彼は英国ロイヤル・バレエ・スクール出身で、ヨーロッパと北アメリカで踊った後、 バレエ・メットとル・グラン・バレエ・カナディアンズのバレエ・マスターを務めていました。 現在のバレエ・メットのバレエ・マスターはスコットランド出身のレイモンド・スミスです。彼はナショナル・バレエ・スクール・オブ・カナダ出身で、カナダ国立バレエで20年間踊りました。

 今回の公演は3つの作品です。2004年の作品『コローレス・デ・アルマ』は、フラメンコの音楽を使った作品ですが、踊りはフラメンコではありません。 女性達は普通のバレエシューズを履いていました。男性のソロから始まり、男女ペア3組が踊り、男女ペア5組が出てきました。さらに2組加わって、7組のペアで踊りました。 女性は黒いフレアーのワンピース、男性はシースルーの黒っぽいシャツにパンツでした。男性が、遠心力をうまく使って女性を回す振付が多かったです。 男性2人の間を行ったり来たりして迷っている一人の女性の踊りは、大きな拍手を浴びていました。途中、男女ペアがとても早いリズムでクルクル周りながらの激しい振付があり、 これはおもしろかったです。右回り、左回りが交互に何度も入り組んでいて、たわむれるような踊りでした。女性を上まで持ち上げて回しながら降ろしたり、回しながらだんだん持ち上げたり、簡単そうにやっていますが、実はとても難しい振付が多かったです。

 次は2003年の作品で、『ガゼボ・ダンシーズ』。 男性は昔の木こりのような格好で、ひざまでのパンツにハイソックスでした。女性はトウシューズを履いていました。 男性は、飛び上がって回し蹴りをするようなスピード感がある踊りでした。中には変わった振付もあり、男女ペアの踊りで、男性はずっと最初から最後まで口を片手で押さえ、 女性は顔半分を押さえたままのものがありました。女性達が力こぶを作ったり手をグーにしたまま、愉快で軽快な感じの踊りもありました。

バレエ・メット・コロンバス
 最後は2004年の作品『プレイ』です。全員が後ろを向いてあぐらをかいて座っているところから始まりました。4拍子の音楽の1拍目のときだけ、全員が少しずつ動いて着ている服を脱いでは止まり、また動いては止まり、少しずつ立ち上がって、服を脱いでいきました。照明は木漏れ日のようにきれいで、全体的に薄暗かったです。次のシーンは、順番に左右から人が出てきてまっすぐ反対側に通り過ぎていくだけのものでしたが面白かったです。最初は歩いて通り過ぎるだけ、次は早歩き、その次は走ってきてすべって止まりました。次は時々飛び上がったり、その後はそれぞれカメラで写真を撮ったり、同じ動きをくり返していました。ペアが真中で次々に踊りだして、その合間を左右から人々が次々に通りすぎていきました。これは、順番にボーっと見ていると、まるで都市のストリートを写した写真集を見ているようでした。男女のペア達がけんかの殴り合いのような踊りや、寝転んで転がって舞台袖に消えて行ったり、男性8人がスーツを着て皆ポケットに手を入れて踊るものもあり、とてもバラエティーに富んだ面白い振付で、楽しませていただきました。