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アルミテージ・ゴーン!・ダンスのユニークなダンサーたち

 3月2日から7日まで、25周年を迎え、ニューヨークを拠点とするアーミテージ・ゴーン!・ダンス(Armitage)の公演が、ジョイスシアターにて行なわれました。このカンパニーは、1979年に、キャロル・アーミテージによって創設されました。現在のアーティスティック・ディレクターも彼女が務めます。彼女はもともとは、ジョージ・バランシンが演出していた頃の、スイスのバレエ・ドゥ・グラン・シアター・ドゥ・ジュネーヴのメンバーで、クラシック畑出身です。彼女はクラシックとコンテンポラリーを組み合わせ、混ぜているこが特色で、フリーの振付家としても活躍してきました。今年2004年は、彼女はヴェニス・ビエンナーレ・オブ・コンテンポラリー・ダンスのディレクターを務めます。
 世界的に活躍している日本人ダンサーのエダ・メグミさんが出演し、長いソロなど、中心的に踊っていました。ダンサー達のプロフィールを見ると、アーミテージのダンサーの集め方は、とてもバラエティーに富んでいて個性的です。イスラエル、イタリアなど出身地も様々で、会計学士をフロリダ大学で取った後にダンサーに転身した詩人もいました。今回出演した12人のダンサーのうち、なんとニューヨーク出身の2人はダンススクールに通ったことがない独学のダンサーで、15歳くらいから夜な夜なナイトクラヴでダンサー達を見習って踊って練習してきた人達だったので、驚きました。これは前代未問ですね。そして今回のコラムの冒頭で触れました、インドのヨガ行者のダンサー、シャーミラ・デサイも出演しました。スーパー・ヨガ・ダンス。経歴を読んで納得、彼女はインディアン・ダンサー達を多く輩出してきた家系の出身で、彼女の叔母のメナカ、祖母のヒマ・デヴィは、伝説的なダンサーでした。きっと彼女は幼少時から本物のヨガを体得する環境に恵まれていたのですね。とにかく初めて彼女のダンスを観た時に、今まで観たことのあるヨガと比べて明らかに難度が高いうえ、個性的で他のダンサーが真似できないので、絶句してしまったのです。クラシックのバレリーナでも出来ない振付です。「これは踊れない!」と思いました。そして思わず夏頃のこのコラムにて、自分で撮った写真
しか無かったのに書いた次第です。我ながらダンサーを観る目は狂っていませんでした。彼女はまだ若いので、これからブレイクしていくことでしょう。彼女の踊りは、マーシャル・アートとヨガ、インディアン・ダンスを混ぜています。最近では、ロンドンの
インスティチュート・オブ・コンテンポラリー・ダンスなどで、ソロ・パフォーマンスをしています。



アルミテージ・ゴーン
 『タイム・イズ・ザ・エコー・オブ・アン・アクセ・ウィズイン・ア・ウッド』という一つの作品ですが、休憩無しで、6つのダンスで構成されています。これは今回が初演の作品です。舞台背景は、細い銀色の金属の鎖がたくさん平面状にぶら下がり、後ろと左右の3面を囲んでいました。その鎖からダンサーが現れたり消えたりしていました。ダンスは、クラシックのように中心をピタッと捉えて常に軸のバランスを取るものではなく、軸をまっすぐ取らずにずらして傾けて踊る、オフ・バランスがよく使われていました。