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カンパニー・マリー・シュイナール

カンパニー・マリー・シュイナールの公演が、12月9から13日まで、ジョイスシアターにて行われました。 振付・芸術監督はマリー・シュイナールで、モントリオールのダンサー達によるカンパニーです。

1978年にマリー・シュイナールがソロで『クリスタリゼーション』という作品を発表したことがきっかけで、振付、ヴォーカルワークス、インスタレーションについて、 彼女は瞬く間にその独創性と完全さを確立しました。彼女は1978年から1990年まで、舞台でソロで踊りつづけ、世界中を公演旅行しました。 その後90年に彼女は自分のカンパニーを設立しました。今回の公演は、2つの小品集です。振付は独創的で、全て新鮮なもので驚きました。 彼女の振付のポリシーは、全ての局面から人体の謎を追求したもので、クリエイトではなくダンサーとのコミュニケートで出来上がるものだそうです。 彼女の個性が際立っています。全体に、止まったり急に動いたり、ピシッとメリハリのある動きでした。

『24プレリューズ・バイ・ショパン』は99年の新しい作品で、ショパンの音楽を使ったものです。ダンサー達は男性4人、女性6人。 シースルーの黒のレオタードに、アパッチのようなモヒカンのカツラをつけていました。無音で始まり、前かがみの姿勢で右手を前にやり、後ろに回して両手を後方で、 翼を羽ばたくようにして痙攣させたり、両手を上に上げて両手とも人差し指で前方を差して前に進んだり、変わった動きをしていました。 クラシック・バレエの影響も垣間見られ、グランバットマンやシャンディマンを連続して前に進んでいったりしていました。 男性に支えられて脇を持ち上げられた女性がぶら下がり、エシャッペで宙に浮いた姿勢で振子のように左右に揺れていたところは、クラシックの型をこのように使えるのかと驚きました。 一番印象に残っているシーンは、一人の女性が真中に出てきて、「ファーミへファーシトドシラファー」などと意味不明な言葉を言っているところに、 多数のダンサーがかたまって行進してきて、その女性の前まで来るとその行進にまぎれ込んで彼女も一緒に通り過ぎて幕に消えていったところです。 するとまた真中に飛び出してきて同じ言葉を繰り返し、また反対方向から行進が近付いてきて、紛れて幕に消え、これを右から左から、何度も何度も繰り返し、 だんだん声も大声に荒げていました。これは深い意味も無いことなのだろうけれど、なぜかショッキングでした。

『ル・クリ・デュ・モンデ』は、男女とも上半身裸で、男性は黒短パン、女性は黒長パンツでした。嵐の音で始まり、 指先をくっつけて手の平を内側に丸め込んで水をすくうようにした動きを繰り返していました。ニワトリを思わせるようなテキパキした動きの後、ホラーのような不気味な音楽にのって、 男女2人組が向かい合って、手の指先を使って会話をするように表現し、大声で叫び始めたり、右手の平をこちらに向けたまま腕を上に伸ばして、 ヒューっと叫んで首を震わせて、大勢のダンサーがバラバラに動いていました。