ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2008.11.10]
From Osaka -大阪-

日舞と合同企画『源氏物語』『ナポリ』など──ひょうご洋舞フェスティバル

 神戸新聞110周年記念という冠もついて行われた今年のふれあいの祭典「ひょうご洋舞フェスティバル」、兵庫県内のバレエやモダンダンスの団体が集まっての舞台だ。
 まず、はじめは創作舞踊『情炎─「源氏物語」より』。源氏物語千年紀ということもあり、日舞との共作で、振付はモダンダンスを加藤きよ子、日舞を花柳五三輔。光源氏を花柳小三郎が、取り巻く女たちを洋舞の女性たちが踊った。ここで登場した主要な女性は、源氏の初恋─藤壺(澤村優樹)、愛らしく幼い紫の上(山本留璃子)、そしてメインは六条御息所(長尾奈美)が生霊になって、葵の上(永井晶子)に取り憑いて殺してしまう場面。光源氏は優雅で凜とした魅力、女性たちも美しく弱っていく葵の上のたおやかさ、情念の迫力たっぷりの六条御息所をはじめとして、それぞれの役柄が生きて客席に伝わってくる力作だった。ちなみに前日は、日本舞踊の舞台が同じ会場で行われ、この演目のみそちらでも上演されたそうで、女性主要2キャストのみダブルキャスト。4日は六条御息所を太田由利、葵の上を竹中優花が踊った。
 2つ目は、『白い花咲いたよ』と題して、藤田佳代を中心に6人の振付家が時実新子の川柳6つにそれぞれの思いを振付けた。野の花をモチーフしたもの、平和への思いをこめたものなど、短い踊りのなかにそれぞれの世界が繰り広げられた。
 最後は、赤松優、矢野陽子振付での『ナポリ』。ドラマの終宴、町の人々が主役テレジーナ(岡田周子)とジェンナーロ(恵谷彰)を祝福する華やかなシーン。恵谷の華やかなジャンプに眼を奪われるところから始まり、岡田の明るさもこの演目にとても良く合い、バレエの楽しさを満喫させてもらった。全幕で観たいくらいだった。
(2008年10月5日 神戸国際会館こくさいホール)