小川典子主宰NORIKO BALLET STUDIOの15周年記念フェスティバルは『くるみ割り人形』全幕を中心に
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ワールドレポート/大阪・名古屋
すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna
NORIKO BALLET STUDIO
『くるみ割り人形』振付:小川典子 原振付:マリウス・プティパ
佐々智恵子バレエ団のプリマ・バレリーナとして数多くの主役を踊ってきた小川典子が2009年9月に自ら主宰する「NORIKO BALLET STUDIO」を開設。その15周年記念のフェスティバルだ。
はじめに「バレエコンサート」として、ヴァリエーション等が踊られ、メインは小川が演出・構成・振付を手掛けた『くるみ割り人形』。1周年記念公演も『くるみ割り人形』だったということで、思い入れのある演目だ。6月28日、29日と2日に渡って行われ、主要キャスト等が変わる形で、私は28日に鑑賞した。
第1幕1場、クリスマスパーティーの場面でのクララは早川月華。子供らしさを表現しながら、しっかりとした基礎に基づいた踊りに安心感がある。梶田眞嗣のドロッセルマイヤーが芝居心たっぷりな上によく踊るのも楽しい。
第1幕2場、夜の場面は、まずグレーチュチュの子ねずみたちが、とても可愛い。ねずみとの戦いが終わり、くるみ割り人形(竹中俊輔)がくるみ割りの王子(長谷川元志)に変わるところで、クララも加藤満里に変わる。そこから、ちょっと大人になったような落ち着きも感じさせるクララが雪の世界へ。
『くるみ割り人形』(29日)
クララ:早川月華 撮影:中川幸作
『くるみ割り人形』(28日)
クララ:加藤満里、くるみ割りの王子:長谷川元志 撮影:中川幸作
第2幕は、溌剌とした踊りが心地よい加藤真愛と野々山亮のスペイン、憂いを持って惹きつける色白美人の幸田空と羽佐田有基のアラビアを筆頭に適材適所のお菓子のディヴェルティスマンがクララ(加藤満里)をもてなした。そして金平糖のグラン・パ・ド・ドゥを踊ったのは高田彩加と奥田丈智。高田のフワーッと夢見心地のような、それでいて丁寧な金平糖、奥田の軽さを持ったジャンプでクライマックスを盛り上げた。
(2025年6月28日 アマノ芸術創造センター名古屋)
『くるみ割り人形』(28日)
クララ:早川月華、ドロッセルマイヤー:梶田眞嗣 撮影:中川幸作
『くるみ割り人形』(28日)
アラビア:幸田空、羽佐田有基 撮影:中川幸作
『くるみ割り人形』(29日)
グラン・パ・ド・ドゥ:市川冴希、羽佐田有基 撮影:中川幸作
『くるみ割り人形』(28日)
スペイン:加藤真愛、野々山亮 撮影:中川幸作
『くるみ割り人形』(28日)
グラン・パ・ド・ドゥ:高田彩加、奥田丈智 撮影:中川幸作
『くるみ割り人形』(28日) 撮影:中川幸作
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