ユニークな演出を散りばめて──、「命 燃やして!今!」中西孝子&Kfir Danieli主演での『シンデレラ』
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ワールドレポート/大阪・名古屋
すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna
中西照恵バレエスタジオ
『シンデレラ』中西照恵:振付
中西照恵バレエスタジオの50周年、節目の公演だ。「ミュージカルのようなバレエを!」とプログラムの表紙に書かれているのだが、確かに、ニューヨークが大好きな中西照恵らしく気取らない、ユーモア満載の演出での『シンデレラ』だった。シンデレラを踊ったのは、長身で美しいスタイルを持つ中西孝子。長年踊り続けた積み重ねの上の、幸せな場面では、喜びを静かに噛みしめるような慎ましやかなシンデレラ。王子は、ニューヨークを拠点に活躍するダンサーで俳優でもあるKfir Danieli。格好良さはもちろんある上で、フランクな魅力。義母(加畑エリ子)や義姉(川畑麻弓)、義妹(樋口信子)を嫌がる演技など、本当に嫌がっているリアルさが容赦ない感じ。だが、それが気軽に観ることができる華やかなミュージカルやアメリカのコメディ番組のような笑いにを誘う楽しさとなって、中西の演出と彼の個性や演技力が上手くマッチしたと言えそうだ。
シンデレラ:中西孝子、王子:Kfir Danieli
撮影:古都栄二(テス大阪)
王子:Kfir Danieli 撮影:古都栄二(テス大阪)
義母のお尻に敷かれるお父さん役は松原博司。優しくも気が弱そうなこの役が松原に合う。加えてこの役、お父さんの職業はお城の式典長ということで、舞踏会の場面では式典長を務める。
また、舞踏会のピエロは片山真瑛で、客席通路も使いながら、観客とコミュニケーションを取って可愛く明るく盛り上げていたのもよかった。
また、王子がシンデレラを探して旅をする国は、ハワイ、スペイン、日本ということで、それぞれの場面のオリジナリティも楽しかった。
(2025年8月8日 ロームシアター京都メインホール)
義妹:樋口信子 撮影:古都栄二(テス大阪)
ピエロ:片山真瑛 撮影:古都栄二(テス大阪)
王子:Kfir Danieli 撮影:古都栄二(テス大阪)
シンデレラ:中西孝子、王子:Kfir Danieli
撮影:古都栄二(テス大阪)
『シンデレラ』撮影:古都栄二(テス大阪)
シンデレラ:中西孝子、王子:Kfir Danieli
撮影:古都栄二(テス大阪)
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