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スウェーデン王立バレエの中島希沙、ドイツ州立ハレ歌劇場の森川礼央、カイロ国立バレエの彦坂柚が出演──田川陽子バレエアカデミー30周年記念SUMMER CONCERT

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

田川陽子バレエアカデミー

『Signal』ほか 菰田いづみ:振付、『ラ・バヤデール』田川陽子、稲垣夏子:振付、原振付:マリウス・プティパ、『眠れる森の美女』田川陽子、稲垣夏子、山本美樹子:振付 原振付:マリウス・プティパ ほか

30周年の節目のSUMMER CONCERT。このスタジオで学び、こうべ全国舞踊コンクールでジュニア部門での1位受賞時にインタビューさせていただいたことが記憶に残る森川礼央。とても愛らしい男の子というイメージだったが、すっかりたくましい筋肉の大人のダンサーになっており感慨深かった。ドイツ州立ハレ歌劇場で活躍しているという。他にも海外で活躍する出身者が里帰り出演していた。

まず、最初の演目は『ラ・バヤデール』より婚礼の場。ソロルの野々山亮をパートナーにガムザッティを踊ったのは、スウェーデン王立バレエで活躍する中島希沙。ハッキリした踊りで、自信に溢れたお嬢様という雰囲気がよく出ていた。ここでブロンズ像を踊ったのが森川礼央。身体能力の高さを活かしたバネのような踊り、力強いジャンプが印象が素晴らしい。

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『ラ・バヤデール』より婚礼の場
ブロンズ像:森川礼央
念summer Concert」撮影:古都栄二(テス大阪)

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『ラ・バヤデール』より婚礼の場
ブロンズ像:森川礼央
撮影:大藤飛鳥(テス大阪)

2部では小作品が8つ上演された。特に印象に残ったのが3つ。まず、モーツァルトの曲に飯沼綾乃が振付けた『ラ・フルール』。伸び盛りと思えるジュニア4人、石川奈保、千北明果、加藤碧、梶山世衣が慎ましやかな花のように、それぞれの個性を垣間見せながら踊り、好感が持てた。海外組含め、踊れるダンサー4人、菰田いづみ、中島希沙、宮野可奈子、彦坂柚は『パ・ド・カトル』。それぞれの表現力を持って、品よく楽しげに仕上げていた。そして、主宰の田川陽子が水城卓哉をパートナーに踊ったのは『Signal』。菰田いづみがベートーヴェンの曲などを使って振付けた作品で、現代の日常を生きる二人が、別々の日々の暮らしの中で感じるふとした空虚な想い、、、そんな中で出逢い、心が通じ合うようになっていく......そんな心の変化が描かれているように思いながら観た。良い作品。二人のナチュラルな表現でスーッと心に入って来た。

最後は『眠れる森の美女』第3幕。落ち着いた知性を感じさせる宮野可奈子のオーロラ姫と、優しく気品溢れる水城の王子を中心に華やかに繰り広げられた。
(2025年7月12日 名古屋市青少年文化センター)

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『ラ・バヤデール』より婚礼の場
ガムザッティ:中島希沙、ソロル:野々山亮
撮影:大藤飛鳥(テス大阪)

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『パ・ド・カトル』
菰田いづみ、中島希沙、宮野可奈子、彦坂柚
撮影:古都栄二(テス大阪)

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『Signal』
田川陽子、水城卓哉
撮影:古都栄二(テス大阪)

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『Signal』
田川陽子、水城卓哉
撮影:古都栄二(テス大阪)

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『Signal』
田川陽子、水城卓哉
撮影:大藤飛鳥(テス大阪)

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『眠れる森の美女』第3幕
フロリナ王女と青い鳥:針谷知沙、野々山亮
撮影:大藤飛鳥(テス大阪)

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