ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From London <ロンドン>: 最新の記事

From London <ロンドン>: 月別アーカイブ

船引怜美 Text by Remi Funabiki 
[2005.02.10]

●ダーシー・バッセルが『ピラーティス・フォー・ライフ』出版

ロイヤル・バレエの大スター、ダーシー・バッセルがピラーティス・エクササイズを紹介する『ピラーティス・フォー・ライフ』を出版しました。ダンサーとし てのボディーコンディショニング(身体調整)、出産からの復帰や怪我のリハビリとしてピラーティスをロイヤル・バレエ・スクール時代から続けてきたダー シーが、そのエクササイズとその効果を紹介しています。

出産(2人目の子供)、そして足首の手術のために約1年半(2003年4月以降)舞台を離れていたダーシーが昨年10月マクミランの『レクイエム』とア シュトンの『シルヴィア』で果たした見事な完全復帰には誰もが驚嘆しました。「私が今まで身体のためにやってきたことで、ピラーティスが一番素晴らしいも のだと思う」と、その完全復帰、そしてダンサーとしての身体維持の上で最も重要なものはピラーティスと、この本を出版することになったきっかけを話してい ます。
姿勢を保つ上で重要とされる身体の深部の筋肉強化に重点を絞り、身体全体的な筋肉強化、姿勢矯正などの効果で知られるピラーティス。とりわけダンサーに とってはエクササイズを通して筋肉のバランスを整え、身体の使い方/コントロール、身体感覚や知識を高めるものとして、リハビリだけではなく、怪我防止・ ボディーコンディショニングとしてダンストレーニングに取り入れられています。
出産直後はピラーティスのみで身体を整え徐々に復帰を果たしたダーシー。通常はリハーサルや本番の合間に1時間半のセッションを週に2回ピラーティス・スタジオで受けていると言います。

この本で紹介されているのは、身体の中心部(コア)を鍛えるマットワーク・エクササイズを主にストレッチなどを含む約60のエクササイズ。その大部分はプ リ・ピラーティス・エクササイズと呼ばれる非常にベーシックなエクササイズ(主としてリラクゼーションや関節・筋肉をほぐすことに焦点を絞った、入門的エ クササイズ)で、ピラーティスの経験が無い人でも身体に無理をかけることなく始めることができます。すべてのエクササイズはダーシーのデモンストレーショ ン写真付でとてもわかりやすく解説されています。ダーシーの鍛え上げられた身体を見るだけでも十分に楽しむことができますし、その他にもダーシーの家族も 紹介されていて、ママ・ダーシーを見ることもでき、とても興味深い本です。

イギリスでも、ここ約10年間でピラーティスは急激に注目を集めるようになり、数え切れないほどの本やDVDが出版されています。その中でも、みんなの憧 れとも言えるトップ・バレリーナ:ダーシー・バッセルのピラーティス本出版はとても注目されています。ここで私自身ピラーティス・インストラクターとして 一つだけアドバイスしたいことは、これらの本やDVDは教師資格のあるインストラクターのクラスなどに参加しそこで習ったことを復習する形で活用されるこ とが望ましいでしょう。たとえ簡単に見えるエクササイズでも、怪我をする恐れがあります。ダーシーも週に2回は指導者の下でクラスを受けていることを忘れ ないでください。(英国ピラーティス協会認定インストラクター:船引怜美)

『Darcey Bussell PILATES FOR LIFE A Practical introduction to the core programme』
著者:ダーシー・バッセル Darcey Bussell
出版社:Michael Joseph an imprint of PENGUIN BOOKS
出版: 2005年1月6日 ISBN: 0-718-14766-9