ウラジーミル・マラーホフが新作を踊り、ウクライナ民族舞踊と日本文化が融合したバレエが展開する、Awaji World Ballet "Soul For PEACE"

ワールドレポート/その他

関口 紘一 Text by Koichi Sekiguchi

ウラジーミル・マラーホフはボリショイ・バレエ学校が日本公演を行っていた頃から、日本では特別な人気があった。その後、ロシアの情勢が変わる中、ウィーン国立歌劇場バレエ、アメリカン・バレエ・シアターなどでプリンシパルとして踊り、2001年から14年までベルリン国立歌劇場バレエ団の芸術監督を務めた。その間にも「マラーホフと仲間たち」といったグループ公演でしばしば来日し、大いに人気を博している。近年では、「マラーホフ グランプリ」を主催したり、キーウのバレエ団を支援するなど独自の活動を行なっている。"Soul For PEACE" の構成・演出・振付を行う針山愛美は、マラーホフがベルリン国立バレエ団の芸術監督だった頃にダンサーとして活躍している。

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2023年のトークショー

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「始まりの鼓動〜舞〜」

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「I'm you」

"Soul For PEACE" は、針山愛美がウクライナ支援を目指してウクライナのダンサーたちとともに始めたプロジェクト。前回はウクライナの国籍を持つマラーホフが参加して、淡路島にまつわる神話「イザナギイザナミ」を和太鼓とのコラボレーションにより踊った。3回目となる今回は、マラーホフによるコンセプトと音楽の選曲に基づいて、宝満直也が振付ける新作が、マラーホフと針山愛美のダンスにより世界初演される。新作の内容は未だ発表されていないが、マラーホフによると、ヒントは<ブラインド>と<白黒のモノクローム>の世界だそうだ。そして、ウクライナ発祥の豪快華麗な民族舞踊『ゴパック』は、前回も参加した倉智太朗、山本春姫、そしてウクライナのダンサー(女性4名、男性3名)が踊る。さらに日本文化とバレエをコラボレーションした "和" のパートでは、上田秀一郎の太鼓と太鼓集団「鼓淡」、そして音楽島ミュージシャンの演奏による舞台が繰り広げられることになっている。
そのほかにも、マラーホフが指導するワークショップも開催される。また、マラーホフ自身が観客のためにプレゼントも持参するという盛りだくさんな内容になっている。
海に囲まれていて自然が豊かでとても美しい「淡路島が大好き」というウラジーミル・マラーホフとともに、バレエと自然が融合する"Soul For PEACE" 公演がとても楽しみになる。
https://www.emihariyama.com/post/2

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「ゴパック」

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「IZANAMI」リハーサル

そしてまた、マラーホフの活動の一環として、マラーホフ版『白鳥の湖』が2025年2月8日に神奈川県民ホールで上演される。この公演は日本バレエの母エリアナ・パヴロバが神奈川県鎌倉市に日本初のバレエ教室を開いてからおそよそ100年。そして2025年に開館50周年を迎える神奈川県民ホールに因んで開催される。出演はオデット/オディール:上野水香、ジークフリート王子:厚地康雄、ロットバルト:遅沢佑介、パ・ド・トロワ(ベンノ):水井駿介ほか。芸術監督:ウラジーミル・マラーホフ、芸術監督補佐:イルギス・ガリムーリン。
https://bfp.atelier-yoshino.com

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