英国ロイヤル・バレエが2025-26新シーズンのシーズン・ラインアップを発表した
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ワールドレポート/ロンドン
アンジェラ・加瀬 Text by Angela Kase
去る4月2日(火)、英国ロイヤル・バレエの2025-26新シーズンの上演演目発表が行われた。
英国ロイヤル・バレエの主軸であるフレデリック・アシュトン、ケネス・マクミラン、ピーター・ライト卿作品、クリストファー・ウィールドン、ウエイン・マクレガーのヒット作品の再演とともに、マクレガー、キャシー・マーストン、アクラム・カーン、ポール・ライトフットという現代イギリスを代表する振付家たちの新作の世界初演が行われるほか、ニューヨーク・シティ・バレエ出身のアメリカ人若手振付家、ジャスティン・ペック振付作品も初披露される予定。
古典と現代作品の比率に目を向けると、圧倒的に現代作品が中心となっている。
ウィールドンの『赤い薔薇ソースの伝説』の再演で始まり、アクラム・カーンが『オネーギン』に構想を得て新たに振付ける新作『カーネージ・アンド・ザ・ディヴァイン』で大劇場公演を締めくくる。何とも野心的なシーズン・ラインアップである。
『リーズの結婚』 ©2017 ROH Photo by Angela Kase
『リーズの結婚』は世界初演より65周年を迎えて、世界でアシュトン作品を讃え、回顧する「アシュトン・インターナショナル」の一環として再演される。この名作がコベント・ガーデンの舞台に帰ってくるのは大変に久しぶりだ。
また、11月12日から中劇場リンバリーで再演される「オシポワ」は、ロシア人プリンシパルのナターリア・オシポワが、マルセリーノ・サンベを相手役としてマーサ・グラハム作品やアシュトン作品のソロ、舞踊劇を披露する。
26年2月に中劇場リンバリーで上演される『月とピエロ』は、アメリカ人振付家グレン・テトリーの生誕100年を記念して上演される。
『リーズの結婚』 ©2017 ROH Photo by Angela Kase
『リーズの結婚』©2017 ROH Photo by Angela Kase
10月1日~10月24日『赤い薔薇ソースの伝説』ウィールドン振付
10月18日~11月13日、06年5月23日~6月9日『リーズの結婚』アシュトン振付
11月12日~11月15日「オシポワ」マーサ・グラハム振付 アシュトン振付(中劇場 リンバリー)
11月14日~12月2日 現代作品小品集 バランシン、マーストン、ペック振付
11月22日~1月5日 『くるみ割り人形』ライト振付
1月17日~2月13日 『ウルフ・ワークス』マクレガー振付
2月10日~2月18日 『月とピエロ』グレン・テトリー振付(中劇場 リンバリー)
2月14日~3月20日 『ジゼル』ライト振付
3月30日~5月18日 『マイヤリング』マクミラン振付
4月18日~5月6日 マクレガー小品集
5月14日 バレエとオペラ合同のガラ公演
6月11日~6月20日 レオン&ライトフット小品集
7月18日 ロイヤル・バレエ・スクール大劇場公演
7月29日~8月1日『カーネージ アンド ザ・ディヴァイン』 アクラム・カーン振付
英国ロイヤル・バレエ以外の団体による中劇場リンバリー公演には、フェデリコ・ボネッリ率いるノーザン・バレエがファミリー向け作品『赤ずきんちゃん』を上演。また元マシュー・ボーン・カンパニーの主要ダンサーで、振付家、芸術監督としてロンドン・シティ・バレエを率いるクリストファー・マーニーが自身のバレエ団と共にロビンス、ラトマンスキー、ペイジの作品を持ってリンバリーで初めて公演する。2026年5月にはアメリカのタルサ・バレエも中劇場で初公演を行う予定である。
また、現時点で既に話題になっているのが、新シーズン幕開け作品の『シングル・マン』だ。ビートニクス時代の米人気作家クリストファー・イシャイウッドの同名原作を、元ロイヤル・バレエのダンサーで振付家に転身したジョナサン・ワトキンスが、元ロイヤル・バレエ、プリンシパルのエドワード・ワトソンに振付ける新作の世界初演である。
そして、20年以上ぶりにロンドン公演を行うポール・テーラー・ダンス・カンパニー。世界の新進振付家が作品を発表するインターナショナル・ドラフトワークスも、年を追うごとに参加する世界のバレエ団が増えてきている。
中劇場 リンバリー
9月8日~9月20日 エドワード・ワトソン主演新作『シングル・マン』
10月23日~10月25日 ノーザン・バレエ『赤ずきんちゃん』
11月19日~11月22日 ロンドン・シティ・バレエ ロビンス振付作品他
1月19日~1月22日 ヨーク・ダンス・プロジェクト 現代作品小品集
1月27日~1月31日 ポール・テーラー・ダンス・カンパニー1『ブランデンブルグ』他
1月28日~1月31日 ポール・テーラー・ダンス・カンパニー2 『エコー』他
3月3日~3月7日 バレエ・ブラック設立25周年記念公演 現代作品小品集
4月16日~4月18日 インターナショナル・ドラフトワークス
5月13日~5月17日 タルサ・バレエ 米現代作品小品集
6月11日~7月5日 ネクスト・ジェネレーション・フェスティバル
『くるみ割り人形』©2017 ROH Photo by Angela Kase
『くるみ割り人形』©2017 ROH Photo by Angela Kase
『ウルフ・ワークス』©223 ROH Photo by Angela Kase
『ジゼル』©2018 ROH Photo by Angela Kase
『ジゼル』©2018 ROH Photo by Angela Kase
『ジゼル』©2018 ROH Photo by Angela Kase
『シングルマン』©2025 Photo by Rick Gast
『マイヤリング』©2022 ROH Photo by Angela Kase
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