ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2017.02.10]

神戸大学主導の実験的プロジェクト『波動』──関典子、工藤聡出演、塚脇淳の彫刻とともに

神戸大学
塚脇淳;企画・舞台美術、工藤聡;監修・演出

昔、日本の主要産業として“生糸”が世界に輸出された時代、神戸港の近くで、その生糸の品質をチェックする場所だったという旧・生糸検査所。広大なスペースの空間を含むその建物は、今、神戸市のデザインクリエイティブセンター(KIITO)として、さまざまなアーティストたちの活動の場となっている。そのギャラリーA、100m競走くらいは楽に出来そうな広いスペースで、神戸大学主導のこの実験は行われた。

osaka1702c_0094.jpg 撮影:松本豪

神戸大学教授の塚脇淳の彫刻、神戸大学准教授で舞踊家でもある関典子とスウェーデン在住の振付家・舞踊家、工藤聡──この3人のコラボレーションだ。出演は工藤と関の他に、黒子のような2人と、案内役の女性。案内役と言っても、美術館ガイドのように道筋に沿って先導して、解説する……というようなものではなく、道筋もない広いスペースを、観客は好きに動き回って余所を向くのも自由というか普通というなかで、適宜、彫刻を「触ってみてください」「耳を当てると鼓動が聞こえるでしょう?」などといった言葉だったか、ちょっとした助言を与えてくれる。ある人はそうしてみるし、したくない人は別の場所を向いていたり──というのも、別のところで工藤が、突然歌い出したり、黒子のような2人が鉄の音を激しく響かせたり……少しずつ、いろんなことが起こるのだ。
工藤の不思議な感覚に誘う声と、鋭さを持った視線、そして、マネキンのような……彫刻のひとつのように見えてしまいそうで観る者の眼を釘付けにする関典子の身体。工藤も関も、“立っている”ことがとても難しいことと伝えているような……。
独特の“場”とアーティストが創りだす、それぞれが、どんな風に感じても自由なんだなと思わせる、そんな時間だった。
(2016年12月24日、25日 デザイン・クリエイティブセンター神戸KIITO ギャラリーA)

osaka1702c_1001.jpg 撮影:岩本順平 osaka1702c_1058.jpg 撮影:岩本順平
osaka1702c_1098.jpg 撮影:岩本順平 osaka1702c_1102.jpg 関典子 撮影:岩本順平
osaka1702c_0002.jpg 撮影:松本豪 osaka1702c_0027.jpg 関典子 撮影:松本豪
osaka1702c_0079.jpg 工藤聡 撮影:松本豪 osaka1702c_0100.jpg 撮影:松本豪
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