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深川秀夫振付『火の鳥』をメインに、新鮮な創作初演作品も上演された

ワールドレポート/大阪・名古屋

すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna

藤原バレエアカデミー「Danse Troupe 37th」

『火の鳥』深川秀夫:振付、『DUO ONE』宮原由紀夫『DUO TWO』錦見真樹:振付

藤原バレエアカデミーの「Danse Troupe 37th」は、コンサート形式で、クラシックのグラン・パ・ド・ドゥやヴァリエーション、オリジナルのコンテンポラリーなどが上演され、ラストは深川秀夫振付の『火の鳥』が上演された。特に印象に残ったものについて書きたい。

まず、今回のための新作コンテンポラリー。2作品の連作で、まず、宮原由紀夫振付の『DUO ONE』は、これからの成長が楽しみなジュニア2人、伊藤奏と山本莞輔が踊った。無国籍に感じられる音楽に乗せての初々しさ、瑞々しさを感じる作品。続いての『DUO TWO』は錦見真樹の振付で、鰐渕寛子と宮原が踊った。女性はポアントでの、ドラマ性が滲むように感じられる踊り。『DUO ONE』の2人が年月を重ねると『DUO TWO』に......と、見終わった時、なんとなく、そんな勝手な想像を頭に浮かべた。

0584 撮影:古都栄二(テス大阪).jpg

『DUO ONE』
伊藤奏、山本莞輔
撮影:古都栄二(テス大阪)

0663 撮影:文元克香(テス大阪).jpg

『DUO TWO』
鰐渕寛子、宮原由紀夫
撮影:文元克香(テス大阪)

2058 撮影:古都栄二(テス大阪).jpg

『グラン・パ・クラシック』よりヴァリエーション
西田沙妃
撮影:古都栄二(テス大阪)

そして、ラストの深川秀夫振付の『火の鳥』。総合芸術だなぁーーとつくづく思った。ダンサー、踊りはもちろん大切だけれど、舞台美術、音楽、照明、衣装等々があってこそ、この世界に惹き込み、この魅力が出るのを実感。様々な場面が、どこも1枚の絵画のようであり、このストラヴィンスキーの音楽だからこそ成立する踊り。
火の鳥を踊ったのは、出産から復帰後初の小林睦実。この役に相応しい"強さ"が以前より増したように感じた。イワン王子は弓場亮太で人の良さが滲みでるようなイワンを好演。ツァレヴナ姫の西田沙妃も、どこかおっとりした姫らしい魅力を感じさせた。彼女は、一部のコンサートで『グラン・パ・クラシック』よりヴァリエーションも踊っていたのだが、この踊りを踊る人がしがちに思えるテクニックを誇示するような踊り方ではない素直さが自然に出たような踊り方にも好感を感じ、印象に残っている。
カッチェイの宮原の存在感も良かったが、ダンサーとして秀逸だと感じたのはカッチェイの化身の末原雅広。自由自在に動くかと思える鍛え上げられた身体での高度なテクニック。それを駆使しながら、小柄な彼独特の個性を活かして、この役を仕上げていた。
今回の『火の鳥』全体を通して、ミストレスを務めた錦見真樹が深川作品の魅力を深く知るからこその仕上がりと言えそうだ。
(2025年11月22日 クレオ大阪中央)

1167 撮影:古都栄二(テス大阪).jpg

『火の鳥』
ツァレヴナ姫:西田沙妃、カッチェイ:宮原由紀夫、カッチェイの化身:末原雅広
撮影:古都栄二(テス大阪)

1264 撮影:古都栄二(テス大阪).jpg

『火の鳥』
火の鳥:小林睦美、イワン王子:弓場亮太
撮影:古都栄二(テス大阪)

1671 撮影:文元克香(テス大阪).jpg

『火の鳥』
火の鳥:小林睦美、イワン王子:弓場亮太、ツァレヴナ姫:西田沙妃
撮影:文元克香(テス大阪)

8025 撮影:古都栄二(テス大阪).jpg

『火の鳥』
火の鳥:小林睦美、カッチェイの化身:末原雅広
撮影:古都栄二(テス大阪)

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