脇塚優の直前の怪我で、脇塚力、榎本心が急遽代役を踊った──カンパニーでこぼこが出演したザ・シンフォニーホールでの「ニューイヤーコンサート」
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ワールドレポート/大阪・名古屋
すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna
カンパニーでこぼこ
「ニューイヤーコンサート」脇塚力:振付
新年恒例となってきた、このザ・シンフォニーホールでの守山俊吾指揮、シンフォニア・アルシスOSAKA演奏による「ニューイヤーコンサート」。今回11年目を迎えるという。今年は3日間にわたっての公演で、カンパニーでこぼこのバレエとともに行われた1月9日の公演を鑑賞した。
もとの予定では、ローザンヌ国際バレエコンクール入賞後、ヒューストン・バレエを経て、現在、イギリスのノーザン・バレエで活躍する脇塚優が出演するはずだったが、直前の怪我で出演不可能に。彼が踊る予定の『ヴェニスの謝肉祭』を父・脇塚力が、ラストの演目『レッドリバーバレイ~赤い河の谷間~』を榎本心が代役を務める形で行われた。
オーケストラとともに、オペラ歌手やヴァイオリン、フルート、ピアノ等のソリストの演奏も楽しんだが、ここではバレエについて紹介したい。

『美しく青きドナウ』
藤岡麻友、榎本心ほか、カンパニーでこぼこ
まず幕開けは、新年らしく『美しく青きドナウ』。藤岡麻友と榎本心を中心にパステルトーンの優しい色目の衣装に身を包んだダンサーたちが晴れやかに踊った。
1部の中盤では『ヴェニスの謝肉祭』として、福井友美と脇塚力が4人の女性とともに。"サタネラ"でお馴染みの踊りを、二人とも満面の笑顔で。急遽の代役で大変だったと想像するが、演技はやはりベテラン、最後のおじぎまで、男性が明るく女性に振られてしまう構成で会場の笑みを誘った。
そしてラストが『レッドリバーバレイ~赤い河の谷間~』、ジョージ・バランシンの『ウエスタン・シンフォニー』でも使われている曲『Red River Valley 』を使い、アメリカの西部劇の魅力を思わせる作品を脇塚力が振付けた。昨年は、中心の男性を脇塚優が踊り、さすがのテクニックとチャーミングな魅力で惹き込んだことが記憶に残る。彼の怪我で抜擢された榎本心、急な上に難しい役でプレッシャーも大きかったと想像する。硬さを感じる部分はあったものの、彼自身の魅力を持って踊った。一方、女性主役の中嶋美晴は、恵まれたスラッとしたスタイル、経験に培われた成熟した魅力を持って踊り、とても良かった。楽しい作品がより似合うといつも感じるカンパニーでこぼこらしい魅力で公演を締めくくった。
(2026年1月9日 ザ・シンフォニーホール)

『美しく青きドナウ』藤岡麻友、榎本心

『美しく青きドナウ』

『ベニスの謝肉祭』岡田倖奈、藤岡麻友、嶋原史織、今西胡桃

『レッドリバーバレイ 〜赤い河の谷間〜』中嶋美晴

『レッドリバーバレイ 〜赤い河の谷間〜』中嶋美晴

『レッドリバーバレイ 〜赤い河の谷間〜』中嶋美晴、榎本心

『ベニスの謝肉祭』福井友美、脇塚力
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