ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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桜井 多佳子 text by Takako Sakurai 
[2012.02.10]
From Osaka -大阪-

法村牧緒が振付けた『不思議な仔馬』『ボレロ』

法村牧緒:振付『不思議な仔馬』『ボレロ』
法村友井バレエ団

法村友井バレエ団と(財)尼崎市総合文化センターが主催した法村友井バレエ団第10回定期公演は、『不思議な仔馬』と『ボレロ』というプログラム。どちらも同バレエ団団長法村牧緒の振付である。

『不思議な仔馬』はロシアの昔話をもとにしたバレエ。ロシアの村に住むイワンは、畑を荒らす暴れ馬を捕まえて改心させ、その馬から黒馬2頭と、背中にこぶのある仔馬をもらう。スタイルが良い中内綾美の黒馬は華やかで、小柄な中尾早織の仔馬はチャーミング。動きはリズミカルで、昔話の絵本を見る楽しさだ。
馬とともにイワンがやってきた都会の「赤の広場」では、にぎやかな市場が開かれている。この作品だけではなく「石の花」など「ロシアもの」を得意とする同バレエ団らしく、カラフルで暖かく、そして素朴なロシアの民衆の情景を巧く伝えていた。
王様の命令でイワンは、幻想の森のお姫様を連れ帰る。王様の求婚を拒むお姫様は、海の底の指輪を所望、イワンと仔馬は海の底へと冒険の旅に出る。法村珠里演じる海の女王を中心に、海の精やイソギンチャクや魚たちが踊るシーンは、大きな見せ場となっていた。
指輪をもらっても、お姫様は王様との結婚を拒否。「牛乳風呂に入って美しくなったら」と再び条件を出す。もうもうとした湯気とともに風呂釜が舞台中央に運ばれ、王様の命令でまずはイワンがそこに入るや、一瞬の早変わりで美しい王子の姿に。だが続いて入った王様は、二度と再び風呂からあがることはなかった。フィナーレは、王様となったイワンとお姫様の結婚式。幸福な雰囲気で幕が閉じた。イワン役に抜擢された安武達朗は表情が豊かで、このような「冒険物語」に不可欠な快活さを持つ。お姫様役の河野裕衣はスタイルが良く、ロシアの民族衣裳も良く似合っていた。二人とも今後に注目したい新人だ。

同時に上演された『ボレロ』はラベルの音楽を用い、黒衣の男女が踊る法村牧緒のオリジナル作品。「ストーリーはなく人間のエネルギーを表した」と配布プログラムに法村自身も書いているが、ラストにはそのエネルギーが炸裂、大きな盛り上がりを見せた。
(2011年12月17日  アルカイックホール)

osaka1202e01.jpg 撮影:尾鼻文雄 osaka1202e02.jpg 撮影:尾鼻文雄
osaka1202e03.jpg 撮影:尾鼻文雄 osaka1202e04.jpg 撮影:尾鼻文雄
osaka1202e05.jpg 撮影:尾鼻文雄 osaka1202e06.jpg 撮影:尾鼻文雄