ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2012.01.10]
From Osaka -大阪-

山本、福岡、福田が出演したクラシックとコンテンポラリーダンス公演

振付:矢上恵子『'ANAГKH(宿命)ノートルダム・ド・パリ』、振付:矢上久留美バレエ『カドリーユ』
K★チェンバーカンパニー

矢上香織、久留美、恵子3姉妹が主宰するK★チェンバーカンパニーの公演。この3姉妹に学び、現在、新国立劇場で活躍する山本隆之、福岡雄大、福田圭吾も出演し、クラシック・バレエ、コンテンポラリー・ダンス共にレベルの高い舞台を観ることができた。

osaka1201a1466.jpg 『ドン・キホーテ』
撮影:OFFICE URANUS

Part 1はバレエコンサートで、クラシックのグラン・パ・ド・ドゥが4つ。幕開けは『ドン・キホーテ』第3幕より、コール・ド・バレエ付きのグラン・パ・ド・ドゥ。石川真理子の伸びやかなキトリに、成長が感じられる福田紘也のバジル。井本世奈の香りたつような笑顔での踊り、井後麻友美の美しいスタイルの踊りと2人の友人ヴァリエーションも華を添えていた。続く『カントリー・ガーデン』よりグラン・パ・ド・ドゥは、工藤雅女の優しげでしなるような動き、福田圭吾の堂々とした動き、また2人ともに表現力が感じられて良かった。『海賊』よりグリナーラとランケデムのグラン・パ・ド・ドゥでは、恵谷彰のゴムのように柔らかい深いグラン・プリエに眼を奪われ、吉田莉奈のトゥールの鮮やかさが印象に残った。そして、『タリスマン』よりグラン・パ・ド・ドゥでは、長い手脚と可愛らしい雰囲気を活かして理想の存在そのもののような吉田千智、福岡の力強い踊り、確実なアントルシャが光った。

osaka1201a1889.jpg 『カドリーユ』
撮影:OFFICE URANUS

Part 2は、矢上久留美がヨハン・シュトラウスの曲に振付けたバレエ『カドリーユ』で、クラシック・バレエの群舞も楽しんだ。
ラスト、Part 3はコンテンポラリー・ダンスで、矢上恵子の新作『'ANAГKH(宿命)ノートルダム・ド・パリ』。あのノートル・ダム・ド・パリの物語をコンテンポラリー・ダンスで観せた。まず、圧倒されたのは群舞の迫力。群舞全体でひとつの生き物のようにうごめく。そこからカジモド(福田圭吾)が出てくる……福田が表す激しい苦悩が強く客席に迫ってきて素晴らしかった。エスメラルダは美しい身体のラインを活かした踊りにプラスして、チャーミングな魅力も感じさせた吉田千智。ノーブルな福岡雄大のフェイビス、深みのある悪役姿がさすがと感じられた山本隆之のフロロなど、充実したキャスティングでとても良い作品に仕上がっていた。ぜひ、また再演をと強く思った。
(2011年11月23日 吹田メイシアター)

osaka1201a1109.jpg 『'ANAГKH(宿命)ノートルダム・ド・パリ』
撮影:OFFICE URANUS
osaka1201a1537.jpg 『カントリー・ガーデン』
撮影:OFFICE URANUS
osaka1201a1669.jpg 『海賊』
撮影:OFFICE URANUS
osaka1201a1672.jpg 『海賊』
撮影:OFFICE URANUS
osaka1201a1797.jpg 『タリスマン』
撮影:OFFICE URANUS
osaka1201a2354.jpg 吉田千智
撮影:OFFICE URANUS
osaka1201a2492.jpg 『'ANAГKH(宿命)ノートルダム・ド・パリ』
撮影:OFFICE URANUS
osaka1201a2811.jpg 『'ANAГKH(宿命)ノートルダム・ド・パリ』
撮影:OFFICE URANUS