伸び盛りのジュニアたちが真摯に学んで──名古屋市芸術創造センターのバレエアカデミー修了公演
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ワールドレポート/大阪・名古屋
すずな あつこ Text by Atsuko Suzuna
名古屋市芸術創造センター、バレエアカデミー修了公演
『オープニング』『宝石箱』早川麻実:振付、『アダジオ』『クラシカルシンフォニー』田川陽子:振付、『ナポリ』窪田弘樹:振付
名古屋市文化振興事業団[アマノ芸術創造センター名古屋]が主催するバレエアカデミーの修了公演。
この地域の各バレエ団体から推薦された若手ダンサー、中学生から25歳以下のバレエ経験6年以上の男女を対象に、昨年9月はじめにオーディションを行い、10月から今年2月まで約4ヶ月間、全28回のレッスンが行われた集大成だ。名古屋を代表する舞踊家が指導を行う形で、今回は窪田弘樹、後藤晴雄、田川陽子、早川麻実が指導にあたり、窪田、田川、早川は修了公演の作品振付も担った。
通常のバレエ教室で必要なレッスン費用や、発表会費用に比べてかなり良心的な費用で、良い先生から学ぶことのできる貴重な機会。現在、残念ながら、全国を見渡しても、まだ、公共ホール等の主催企画でバレエはとても少ないが、増して、公演に留まらないこのような育成企画は他に聞かないような気がする。本気でバレエに取り組みたいジュニアにとって、とても貴重な機会と言えるだろう。

『オープニング』撮影:菰田いづみ

『クラシカルシンフォニー』撮影:菰田いづみ
第1部『オープニング』は早川麻実がチャイコフスキーの曲に振付け、20人の出演者全員で。あくまでもオープニングらしく華やかに。
続いては、男女2人での『アダジオ』、田川陽子の振付けで、7日は酒井あんと名原潤、私が観た8日は皆川華穂と早川楓が踊った。エチュード的な構成で、学生らしい緊張感の伝わる初々しさ、丁寧さが心地よい。
同じく田川振付で、プロコフィエフの曲に乗って7人の女性が踊った『クラシカルシンフォニー』は、ネイビーの膝丈チュチュ姿で、白鳥のアームスが入るなど、バレエへの憧れのようなものが品良く表現された。

『アダジオ』(8日)皆川華穂、早川楓
撮影:菰田いづみ

『アダジオ』(7日)酒井あん、名原潤
撮影:菰田いづみ

『ナポリ』名原潤 撮影:菰田いづみ
その後は、早川がウェーバーの曲、『薔薇の精』でバレエファンには聴き慣れた「舞踏への招待」を使っての『宝石箱』。ダイヤ、ルビー、サファイア、エメラルドとそれぞれのパートに分かれて10人の女性が華やかに踊った。ホリゾントのシルエットから、あの音楽の憂いをもった雰囲気を味わわせて始まり、ホリゾントのシルエットで終わる構成。
そして第2部、ラストは、窪田弘樹振付で『ナポリ』(作曲:ヘルステッド)。ブルノンヴィルの『ナポリ』の第3幕のイメージだが、主役などの役があるわけではなく、大人数の女性がタランテラの部分を踊るなど、全員でお祭りを表現するような形。踊り心が伝わり目を惹くダンサーがいるなど、それぞれの個性が自然に感じられた。
出演した若手ダンサーたちが、今後、もっともっと成長していくことに期待したい。
(2026年2月8日、名古屋市芸術創造センター)

『宝石箱』撮影:菰田いづみ

『ナポリ』撮影:菰田いづみ

撮影:菰田いづみ
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