ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2010.05.10]
From Osaka -大阪-

脇塚力による大胆な新演出 カンパニーでこぼこ『ドン・キホーテ』

脇塚力:演出・振付『ドン・キホーテ』
カンパニーでこぼこ
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さまざまな所属のダンサーが集まって公演を行っているカンパニーでこぼこ。今回第8回公演で脇塚力が手がけた『ドン・キホーテ』の新演出は、かなり大胆に手を入れられていたのだが、ストーリーに納得出来るとても興味深いものに仕上がっていた。

この演出、タイトル通りに年老いた騎士ドン・キホーテ(山田祐路)が主役になっているのがまず第一の特徴。プロローグで、上半身だけ見えるドン・キホーテはじめ騎士達が勇ましく戦っている。しかし、照明が変わって現実に戻ると実は座ったまま騎士ごっこをしている老人達、お茶の時間と勧められ騎士ごっこをやめて……。その後、書斎で旅への想いを膨らませる姿やサンチョパンサ(東文昭)との出会いを描いた後、旅が始まる。旅の最初はジプシーの場、三股ナナエをはじめとするジプシー達の妖艶な踊りの後、風車に突進したドン・キホーテがさっそく夢の場に。ここでドルシネア(西田佑子)に出会い、心を奪われるわけだ。このシーン、キューピット役の福井友美のテクニカルな踊りも印象的。ここで1幕が終わる。

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町の場面は2幕、キトリ(西田佑子)とバジル(脇塚力)は2幕になって初めて登場する(キトリ役の西田はドルシネアとして1幕に登場しているが)。お馴染みのシーンが繰り広げられるが、大きく違うのは、狂言自殺をするのがキトリだということ。バジルのことが大好きなのに、父ロレンツォ(ディビッド・デ・ピューリー)に認めてもらえなくて悩むキトリにドン・キホーテが人生の先輩として策を耳打ちする。それをキトリが実践するのだ。死んでしまったキトリを前に悲しむロレンツォに、居酒屋の手伝いを申し出るバジル。彼をロレンツォが認めるとキトリが明るく起き上がる。『ドン・キホーテ』を何度も観ている身としては驚く展開だが、確かにこのパターンの方が、バジルが狂言自殺する以上にロレンツォが2人の関係に「ウン!」と言いやすいような気がするから面白い。

3幕は結婚式。西田佑子と脇塚力を中心に、華やかに踊りを楽しませて幕を閉じた。
(2010年4月4日 いたみホール)

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撮影:田中聡(テス大阪)
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