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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2009.12.10]
From Osaka -大阪-

大阪市主催、青少年に贈る舞台鑑賞会『ドン・キホーテ』

松田敏子、小嶋直也:振付『ドン・キホーテ』
大阪市
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大阪市主催で青少年が多彩な芸術文化に触れるために行っている企画。MRBの松田敏子がプロデュースし、関西に縁ある優れたダンサーを所属団体を超えてキャスティングして例年行っており、今回はその4回目。

今年の演目は、第1回と同じで『ドン・キホーテ』。私は、第一回も観ているのだが、1時間40分ほどの休憩なしにテンポ良くまとめられた松田演出のこのヴァージョン、踊りの見せ場はほぼカットせずに入っているので、主役はかなりの体力と気力が要求されるのではないかと想像する。だが、だからこそ、初めてバレエを観る人にも飽きずに楽しめる流れになっていると思う。
 

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今回、朝(11時30分開演)と昼(14:00)開演の2回公演で、主役やソリストはそれぞれキャストを変えて上演された。まず、朝公演のキトリ&バジルは柳原麻子と法村圭緒。このキャスティングは第一回と同じで、まず柳原のキトリのイメージにぴったりな明るさと高度なテクニックに引き込まれる。法村も以前以上にバジルに合うチャーミングな雰囲気。やはり、同じ演出で回を重ねることで、よりこなれて良い方向に向かっているように思える。そして、エスパーダは小嶋直也が渋みを持って格好良く、メルセデスは田中ルリが大人の憂いを感じさせて。朝昼通して居酒屋の女役、矢上恵子の存在感のある演技にも目を奪われた。

昼公演のキトリ&バジルは吉田千智と福田圭吾。若いフレッシュな魅力が舞台に溢れる感じ。手脚が長くスタイルが良い上に愛らしい魅力を持つ吉田は、キトリでもドルシネアでも、その持ち味を活かしていたし、バジルの福田は颯爽とテクニックの見せ場もこなして、伸び盛りであることが否が応でも客席に伝わる。こちらのエスパーダとメルセデスは武藤天華と竹中優花。この2人はダンサーとしてもっとも良い時期に差し掛かるカップル、キレのある武藤に、典雅な竹中。
他にも個性を感じさせる出演者が多かった。これまで10年ほどに渡って、MRB主催の夏のガラコンサートを観て来たが、その経験の蓄積が、このように全幕のストーリーを観せる公演にも活かされていることが感じられてとても嬉しく思えた。
(2009年11月3日 メルパルク大阪ホール)

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撮影:尾鼻文雄
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