ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2009.06.10]

『源氏物語〜百花繚乱〜』を絵巻風に 全日本洋舞協会合同公演

入江由紀子振付『源氏物語〜百花繚乱〜』他
全日本洋舞協会

第46回なにわ芸術祭の一環として行われた全日本洋舞協会の合同公演。主にモダンダンスの団体が集っての催しで、第1部では小作品が、第2部では合同作品として入江由紀子振付による『源氏物語〜百花繚乱〜』が上演された。

第1部で上演されたのは、順に瀧口順子舞踊研究所『あなたの大きな翼を広げなさい』、平林美奈子舞踊研究所『“Glazunov Suite”より』、木川たづ子バレエアートスタジオ『MOLDAU』、北山大西バレエ団『女ねずみ小僧』、砂原順子スペイン舞踊研究所『Goyescas』、Y's Dance Art Company『そして燦めく』、平林美奈子舞踊研究所『REBORN』の6団体7作品。ジャンルもレベルもさまざまでそれぞれの団体のカラーが楽しめた。

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休憩を挟んで、第2部の合同作品『源氏物語〜百花繚乱〜』。ここに出演したのは振付を手掛けた入江由紀子が代表するイリエ・ユキ舞踊団/モダンバレエ研究所と、砂原順子スペイン舞踊研究所、辻本芳子バレエスクール、サワダバレエスクール、瀧口順子舞踊研究所、ワクイバレエ団所属のダンサーたち。そして、ゲストとして、光源氏役に日本舞踊家の藤間蘭黄。
かなりの長編の源氏物語、どこかのシーンに重点を置いての上演例が多いが、今回の作品は、紫式部(山下薫)を語り部役に(実際に声を出して語るわけではなく、巻物を持って……の姿で表現)、比較的多めのシーンを絵巻風に。「神々から与えられた四季折々の島──」という歌詞の曲に乗って、桜や紅葉をはじめとした様々な花々に彩られる美しさを小さな子どもたちも交えて華やかに描いた。
藤壺の君(小川宏美)、葵の上(宮内愛)、朧月夜の君(橋本佳子)、空蝉(辻本響子)、紫の上(永戸繭子)、末摘花(耳川晶子)など、源氏と想いを交わした女性が場面が変わる毎に次々と登場し、変化に富んだ構成で楽しませる。それぞれの女性の持つ雰囲気もストーリーにとても良く合っているように思えたし、さすがに藤間蘭黄は、堂々とした気品を感じさせる上に優しげで、私たち観客が持っている“光源氏”のイメージにぴったりだった。
特に印象に残っているのは〈ほたる〉、夕顔(山田彩)と光源氏が、川でほたると戯れ遊ぶところ。弱々しく清らかさを感じさせる夕顔と明るい表情の源氏、そこに現れる六条御息所(斉藤結依)の黒衣の生霊。六条御息所のスピーディでキレのある動きも素晴らしく、その場面が眼に焼き付いた。
(2009年5月9日 サンケイホールブリーゼ)

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