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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2009.04.10]
From Osaka -大阪-

第10回大阪プリ・クラシック・バレエ・コンクール〜記念エキジビジョン『パキータ』も上演

美々卯スペシャル・エキジビジョン『パキータ』
原振付:マリウス・プティパ、改訂振付:石川恵己
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 出場者を近畿圏内(大阪、兵庫、京都、和歌山、滋賀、奈良、三重)の在住、または同圏内のバレエスクールに在籍するものに限定した大阪プリ・コンクール。宿泊などを伴わず気軽に参加できることや、毎年該当年齢の希望者から上位入賞者ひとりにロシアのワガノワ・バレエ・アカデミーへの1年間のスカラシップが贈られることも人気をよんだのか、着実に参加者数を伸ばし、10回目の今回、787名(ジュニア2部:478名、ジュニア1部:254名、シニアの部:55名)の参加を得て開催された。
 審査はワガノワ・バレエ・アカデミーから招かれたイワーノワ・ベロニカ・バリソヴナと、社団法人日本バレエ協会関西支部の先生方、審査委員長は岡本博雄、審査副委員長は橘照代。

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 今年は、記念すべき第10回ということで特別に、美々卯協賛のスペシャル・エキジビジョンが、予選最終日(3月14日)の夜に行われたので、そこから紹介しよう。
 コンクールのエキジビジョンというと、どうしてもソロ作品が多いが、ここで上演されたのは『パキータ』、これまで10年間の上位入賞者が集っての舞台で、コール・ド・バレエも優秀な若手たちがつとめていた。アンドレイ・クードリャをパートナーにエトワールを務めた楠本理江香は、さすがにのびやかで風格も感じさせる踊り。パ・ド・トロワは、それぞれ主役経験も豊富な谷吹知早斗と山下摩耶、そして張縁睿、3人3様の魅力が感じられた。各ソリストのヴァリエーションも、さすがにそれぞれ上位入賞者、個性がよく出て良い感じ、見応えがあって楽しめた。そして、アンサンブル──コール・ド・バレエも、多くの団体から寄せ集まっているにも関わらず、息があっていて作品をきちんとまとめていた。

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その翌日(3月15日)が決選、今年のコンクールの結果、各部門第1位をご紹介しよう。

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ジュニア2部(小学3年生〜中学1年生)
 第1位:繁木弥生(船附菜穂美バレエスタジオ)
『ダイアナとアクティオン』よりダイアナのヴァリエーション

 手脚が長くてスケールの大きな伸び伸びとした踊りにこれからの可能性が感じられた彼女は、13歳、中学1年生。「予選の時、失敗したので、今日は落ち着いてと思って」と、決選の方が自分でも良かったそう。「踊っていて楽しい、出来なかったところが出来るようになったら、とても嬉しい!大きくなったら留学したい。スカラシップも目指したい」ということ。また、次のカテゴリーでもぜひ頑張って欲しい。

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ジュニア第1部 第1位&スカラシップ:塩谷綾菜(アート・バレエ難波津)
『ジゼル』第1幕よりジゼルのヴァリエーション

 清純でていねい、甲も美しくよく伸びる脚にうっとりした。高校1年生16歳、ワガノワ・バレエ学校への1年間のスカラシップも獲得した。
 「小さい時から、今の教室で習っています。中3の時、京都に引っ越したのですが、教室を変わりたくなくて、そのまま通っているんです。石川惠己先生は、厳しいけれど優しい時もあって信頼できる先生です。将来は、バレエをプロとしてやっていきたい。海外にいければと思っていたので、今回とても嬉しいです。誰からみてもすごいなーーと思われるような、感動を与えられるダンサーになりたいです」。

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シニア第1位:岸本恭平(山本小糸バレエスクール)
『ダイアナとアクティオン』よりアクティオンのヴァリエーション

 良く跳び、良く回る、ダイナミックさも持ちつつ、自然に湧き出るように見えるチャーミングな笑顔も魅力的なアクティオンだった。「雑にならないように気をつけて踊りました。今、26歳。発表会などにゲストとして呼んでいただいて踊っています。これからですか? 目の前のことをクリアして、一つ一つの舞台を大切に踊っていきたいと思います」。これからも、いろいろな舞台で彼の活躍を観ることができそうだ。
(予選:2009年2月21日、22日、3月14日、決選:3月15日 大阪国際会議場グランキューブ・メインホール)