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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2018.01.10]

オデットを松本千明、オディールを早矢仕友香、ジークフリートを碓氷悠太が踊った松岡伶子バレエ団『白鳥の湖』

松岡伶子バレエ団『白鳥の湖』
松岡伶子:演出・振付、市橋万樹:追加振付

松岡伶子の東海テレビ文化賞、バレエ団に対する市民芸術祭賞、そして碓氷悠太の中川鋭之助賞と受賞が続いている松岡伶子バレエ団。今回の公演を観ても、実力あるダンサーが次々と育っている団体が、きちんと上演した『白鳥の湖』と感じた。稲垣宏樹指揮、中部フィルハーモニー交響楽団の演奏による上演。
演出が独特でなるほどと感じたのは、第3幕の舞踏会で王子(碓氷悠太)がオディールとの結婚を王妃(島宗陽子)に乞う時、一旦、王妃は難色を示す──結局は許して、物語は進行するのだが、丁寧な創り方だと思えて好感が持てた。

nagoya1801b_S1262.jpg オデット姫:松本千明
撮影:むらはし和明(すべて)

オデット姫は松本千明、柔らかさを持った清純な魅力を感じさせる踊り、ヴァリエーションのディヴェロッペの床での足の使い方も正確で美しく良かった。オデール姫の早矢仕友香は舞台経験の積み重ねが生きているのか、余裕すら感じさせるような堂々とした踊り。歌うように王子を誘惑し、ダブルも入れたフェッテなど高テクニックで観客もグイグイ引きこむ。そして、王子は碓氷悠太。彼はやっぱり王子が似合うノーブルな雰囲気、正確な動き、そして年々、表現の深みも増ているように感じられる。ロットバルトの梶田眞嗣も踊れるダンサーとしての身体と自然な演技力を活かして良かった。
ソリストも目を引くダンサーが多かった。ピエロの林高弘は幕開け早々からバネのような筋肉を活かしての高テクニックで盛り上げて観客を引きこんだし、第3幕のパ・ド・カトルは、Kバレエカンパニーから地元に戻っている佐々部佳代をはじめ、山下実可、中弥智博、牧村直紀と実力派揃い。佐々部の踊りはニュアンスがあって良いなとあらためて感じた。また、ルースカヤの中心を踊った西田悠乃も高いテクニックがあるのはもちろん、惹きつける魅力を持ったダンサーだと感じた。他のディヴェルティスマンも適材適所だったと思う。
これから、また、成長して楽しませてくれそうな若手がたくさん──と思いながら見終えた舞台だった。
(2017年12月10日 愛知県芸術劇場大ホール)

nagoya1801b_L0473s.jpg nagoya1801b_1895s.jpg 早矢仕友香、碓氷悠太、梶田眞嗣
nagoya1801b_L0599s.jpg nagoya1801b_S2777s.jpg 早矢仕友香、碓氷悠太
nagoya1801b_S3000s.jpg 早矢仕友香、碓氷悠太、松本千明 nagoya1801b_1042s.jpg
nagoya1801b_545s.jpg オデット姫:松本千明、ジークフリート王子:碓氷悠太
撮影:むらはし和明(すべて)