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桜井多佳子 text by Takako Sakurai 
[2008.10.10]
From Osaka -大阪-

ワクイバレエスクール30周年記念合同公演

 大阪府箕面市に本拠を置くワクイバレエスクールの30周年記念合同公演。ワクイバレエスクール&ワクイバレエ団代表の涌井三枝子は、優秀なバレリーナだけではなくタカラジェンヌやフラメンコ・ダンサーらも多く輩出し、また、シンクロナイズドスイミングのメダリストにも指導するなど、幅広い活動を続けている。

 教え子のなかにはすでに何人かがバレエ教師として独立しており、今回は、彼女らが主宰する5つのスタジオと合同で、二日間にわたって公演を行った。8月16日は生徒たちが中心となる『ドン・キホーテ』全3幕、17日は合同発表会とともに、プロとして活躍する同スクール出身者を中心とした「ガラ・コンサート」と『コッペリア』全3幕を上演した。
『コッペリア』は、主役スワニルダとフランツを幕ごとに3組のダンサーが分け合うという趣向が楽しめた。

 第一幕は安川千晶&アンドレス・エステペス。安川は、モナコやニュ-ヨークで学び、現在、オーランド・バレエ団に在籍する愛らしいバレリーナで、豊かな表情が観客を一気に物語に引き込んだ。

 第二幕の主役は大堀彩香&大森康生。二人とも、この夏、日本全国で『白雪姫』を上演したキエフ・クラシック・バレエの団員で、日本ツアー終了後そのまま、この公演に駆けつけた。『白雪姫』で可愛らしい動物に扮した大堀、ユーモラスたっぷりに小人を演じた大森とも、小柄な身体を個性として生かす術が身についている。この日も軽やかな演技を見せていた。

 第三幕では、長田佳世&黄凱のゴージャスなペアが、舞台を華やかに盛り上げた。長田は、一幕では民族衣装と赤いブーツ姿で、見事にマズルカも披露していた。また、ベテランの松原博司が全幕を通しコッペリウスを、適度にユーモラスに、また重々しく演じ、舞台全体を引き締めていた。

 ワクイバレエスクールは上海国立舞踏学校とも友好交流を行っており、上海国立舞踏学校出身の黄凱(東京シティ・バレエ団)や、邵智羽(牧阿佐美バレヱ団。今回はフランツの友人役ほかで出演)生徒時代から親交がある。「ガラ・コンサート」で艶やかに『海賊』を踊った瀬川哲司(グランディーバ・バレエ団)は、涌井が大阪芸術大学の非常勤講師をつとめていたときの生徒。涌井を慕う国内外のプロが集まり、愛弟子たちが力を合わせて作り上げた舞台は、アットホームであたたかな空気が漂っていた。
(2008年8月16日、17日、門真市民文化会館 ルミエールホール)