ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2008.10.10]
From Osaka -大阪-

オハッド・ナハリン振付作品のショーイングなど、COMMIX ARTs2008

 以前から日本でも話題のイスラエル・ダンス。その代表的な存在と言えるオハッド・ナハリンによるGAGAメソッドも同時に注目が高まっている。

 今年8月18日~29日、神戸ファッション美術館でのGAGAワークショップに参加したダンサーたちによるショーイング、ベルギーのカンパニー・モス=ボンテによる“ビデオダンス”映像の上映、イタリアのAterballettoで踊る成澤畿波子によるソロダンスにトークという構成のイベントが行われた。

 GAGAワークショップのショーイングとして行われたのは、オハッド・ナハリン振付の『カムヨトット』。四方を客席としてのイスに取り囲まれたフラットな場所でのパフォーマンス。始まる前からダンサーが客席のところどころに座っている──そこから、一人で、複数でと踊り出し、観客をその世界に引き込んでいく。後半には、ナハリンの他の作品でも見られる観客を誘い出してのダンス。ダンサーたちに誘い出されて踊る人たちは、ちょっととまどいながらも楽しそうで、観ていてほのぼのとした気分になる。聞くところによると、GAGAメソッドはもともと、ナハリンが自らのリハビリテーションのために生み出し、舞踊団のオフィスで働く人たちの運動不足解消のために組み立てていったものだそう。それがダンサーにも効果的ということで発展したようだ。今回、この神戸ファッション美術館で行われたワークショップはダンサー向けのものだったが、他の会場では“GAGA/ピープル”という普段運動をしていない老若男女に向けたワークショップも行われたということ。観ていて少し体験してみたくなった。

 また、後半に行われた成澤畿波子によるソロダンスも印象的。彼女が所属するイタリアのAterballettoのディレクター、Mauro Bigonzettiによる、モーツァルトへのオマージュ作品『WAM』のなかのソロ部分。どこか切なさを感じさせ、自らの内側と向き合うような美しい作品だった。
(2008年8月31日 神戸ファッション美術館オルビスホール)