ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2008.08.11]
From Osaka -大阪-

実験的アーティスト集団Alphact第4回公演『EXSPOT』

 大柴拓磨が呼びかけ、さまざまなジャンルのダンサーや役者、ミュージシャンや画家が集ってのライブ。4回目になるが、回を重ねるごとにファンが増え、内容もレベルアップしているように思える。
 今回の出演者は、大柴の他に、交通事故により左足膝下を亡くしながらも、そのハンディキャップを活かした独自の動きで踊り続けるダンサー、大前光市、モスクワ音楽劇場で活躍後帰国したバレリーナ、高橋晃子、ワイルドなブレイクダンスのKATSU、白河直子に師事し、繊細な表現も見せてくれるコンテンポラリー・ダンサーの金刺わたる、独特の動きが印象的な俳優、窪木亨、人の心を柔らかくするような透明な歌声が魅力の風香、キュートな女優でジャズダンサー、和田ちさと。
 ロビーでのパフォーマンスから始まるライブ、大前光市の踊りを間近で観た時、さすがに正直ショッキングだった──ショッキングだと思ってしまう自分と、そこでしばし向き合う。でも目のすぐ前で、彼はそのショッキングささえも活かすように武器にして踊っている、観ている私の感情が揺さぶられるような感じ。
 客席に移ると四方に客席を置いた舞台。ステージ中央には服のようなものを着せられたオブジェ。前回は結構言葉のあるライブだったのだが、今回は言葉はなく、それぞれの動きと音楽、女性の歌声だけで構成されていた。動きだけで表される“コミカルさ”や、どことない“せつなさ”など、さまざまな感覚が、編み込まれるように表現されていく。
 見終わった後、残ったのは“やさしい気持ち”。作品が観客にそぅっと届くようにやさしい──きっと、創っている人たちが優しいのだろうな、そんな気がしながら会場を後にした。
(2008年7月5日 大阪 black chamber)

『ART LIVE PROJECT Act4』』 撮影/F.Obana