ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2008.02.11]
From Osaka -大阪-

深川秀夫の演出で、宮下靖子バレエ『白鳥の湖』

 12月23日というクリスマス目前の一夜、『白鳥の湖』を楽しませてくれたのは宮下靖子バレエ。オデットを石井絢子、オディールを鈴木祐子と踊り分ける形、王子はアンドレイ・クードリャ。プロローグでオデットがロッドバルト(大寺資二)に白鳥へと変えられる場面からオディールも登場し、4幕もともに物語を運ぶ。
 演出の特徴で特に珍しいのは、まず、王子の従姉(原美香)が登場すること。1幕ではコール・ド・バレエの中心で王子とも踊り、3幕の宮殿でも王子を祝うように大人の魅力たっぷりに踊る。
 もうひとつは、白鳥たちーーコール・ド・バレエの強さ。深川独特の振付だと思うが、集団で前傾しながら腕を後ろに出す振りは独特で野性的な印象、4幕でオデット&王子が、身を投げた後、その力強い白鳥の集団がロッドバルトを追い立てるのはとても迫力がある。
 石田のオデットは柔らかく丁寧でたおやか、悲劇のか弱いヒロインそのもので、白鳥たちに守られるのにぴったりな雰囲気だった。そして鈴木祐子のオディールは、伸びやかな手足に華やかな笑顔、テクニックもなかなかで、強く明確な感情が客席に伝わるのが良かった。
 全幕を通して、色彩感覚のセンスも印象的。花嫁候補がそれぞれのディベルティスマンの中心で踊る演出なのだが、それぞれの国の民族衣装の形を取り入れつつ、色はすべて白とベージュが基調。その他の役柄に関しても衣裳、それに舞台美術や照明の色調も合わせて1枚の絵のようにバランスがとれていた。
(12月23日 京都会館第1ホール)