ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2007.12.10]
From Osaka -大阪-

今年の会場は関西若手ダンサーの登竜門「ユース・アメリカ・グランプリ」日本予選

 ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)は、世界で一番大きな国際奨学金バレエコンクール。毎年、多くのジュニアに世界中の一流バレエ団に付属するバレエ学校への留学機会を与えている。
 例年、日本予選が行われ、9歳~11歳のプリコンペティティブ部門、12歳~14歳のジュニア部門、15歳~19歳のシニア部門それぞれ12名(必要があれば、もっと多く選ばれる場合もあり、今回もプリコンペティブ部門では17名選ばれている)がNY決選に進む権利を得る。この日本予選、今年は関西で行われた。大阪・梅田からも近い兵庫県尼崎市のアルカイックホール、建物続きのオクトホールがワークショップ会場だ。

 このコンクールのもっとも大きな特徴は、ジュニアたちの将来を大切にするため、それぞれの参加者のことをよくよく考えて運営されていることのような気がする。まず、4日間の期間中、スカラーシップ・オーディションのためのクラスや、ワークショップとしての基礎レッスンのクラスを、世界の一流バレエ学校の校長や教師から受けることが出来る。そして、この予選だけでも、多くはないが各バレエ学校からのスカラシップも出る。それで希望に合ったら、特にNY決選に行かなくても、そのまま留学できる。他に希望する学校があるなら、NY決選に参加すると、そんな希望が叶うチャンスが広がるわけだ。留学許可も辞退者があれば、繰り下げて次の候補に出すなど、子どもたちに取ってのチャンスを最大限に生かすための工夫が細かく施されている。

 さて、今年の日本予選ファイナル。観ていてまず感じたのは、「ファイナルまで残った子は、まず何より体の条件がバレエ向き」。他の日本のコンクールなら、努力でカバーした技術が評価されることもある。だが、ここは世界のバレエ学校への登竜門、バレエ学校でこれから磨きをかけるに値する原石に審査員たちは眼をつけ、選んでいるように感じられた。それが世界の一流バレエ団付属バレエ学校が、自然に求める素材なのだろう。
 そう聞くと、持って生まれたものが全てのようで冷たく聞こえるかも知れないが、ファイナルの日の表彰式では、全員が舞台に上がって大会の成功を祝い、全ての参加者にアドバイスを書いたシートが手渡される。憧れのバレエ学校の先生たちからの、自分へのアドバイスが、そこには記されている。もしも厳しい現実が目の前にあったとしても、次のために努力する元もそこにあるのかも知れない。
 結果は、YAGPのHPに記載されているので参照を。http://www.yagp.org/japan/2008.html
 YAGP2008ニューヨーク・ファイナルは、2008年4月16日(水)~21日(月)に行われる。
(11月8日~11日 アルカイックホール、オクトホール。11日の決選を鑑賞)

 


奥薗将文

小川華歩

山本勝利

馬場 彩

大巻雄矢