ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 最新の記事

From Osaka Nagoya <大阪・名古屋>: 月別アーカイブ

すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2007.09.10]
From Osaka -大阪-

ソウダバレエスクール第8回公演

 世界で活躍するダンサーの数々を送り出しているソウダバレエスクール。現在日本で踊っているダンサーで言えば、Kバレエカンパニーで活躍する康村和恵や清水健太もこのスクールの出身だ。この生徒公演には、それに続くことを予感させる生徒たちも出演した。
 今回、それを強く予感させたのは松根花子。2005年のユース・アメリカ・グランプリのジュニア部門グランプリを獲得し、スカラシップでパリ・オペラ座に留学した経験の持ち主。『レ・シルフィード』のワルツと、サイトウマコト振付の『黄金のかけら』の中心を原田祥博をパートナーに踊った。まだ、ジュニアの年齢のはずだが、堂々として妖艶さがある。日本人は特に若いときには、キチンと踊ることに集中することが多いが彼女はそうではない。彼女の身体の可動域は広く、柔らかく滑らか---そして何よりも驚くのは、心の内から出ていると思わせる表現が観客に伝わってくるのだ。まだ原石のような彼女、磨かれることで近いうちにきっと素晴らしく輝くのだろう、楽しみだ。
 

『レ・シルフィード』
『黄金のかけら』

 この公演、最後に上演された『MAMONO--魔物』も面白かった。19年前に原田高博がショスターコヴィッチの曲に振付け、原田高博、高見王國、吉岡泰子と、現在このスクールの教師をつとめる人たちが踊った作品。それを、原田祥博、前野香代子、高須佑治など、今、踊り盛りのダンサーたちが踊った。若者が魔物に勝利すると、若者自身が魔物になってしまう---「そんなこと、あるよね」と思わせる、ちょっと怖さを持った作品だった。
 フィナーレの舞台に康村和恵が現れ、代表の宗田静子に花束を渡して、抱擁しあっていたのも微笑ましかった。
 

『MAMONO--魔物』
(8月4日、大阪厚生年金会館 芸術芸術ホール)