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桜井 多佳子 text by Takako Sakurai 
[2006.09.10]
From Osaka -大阪-

カール・パケットが出演した京都バレエ専門学校創立30周年記念公演

 京都バレエ専門学校が創立30周年の記念公演を行った。同学校は、日本で最初のバレエ専修学校として有馬弘毅・龍子夫妻が1976年に設立。当初からパリ・オペラ座バレエ団との親交が深く、開校2年目からは、歴史的なプリマ、イヴェット・ショビレを名誉校長に迎えており、さらに次期には、パリ・オペラ座バレエ学校元校長クロード・ベッシー(ローザンヌ・コンクールのテレビ放映での辛らつな解説でも有名)がコンスルタント・アーティスティックに就任する。

 今回の公演も、パリ・オペラ座バレエ団元エトワールのミカエル・ドナールがメートル・ド・バレエをつとめ、また、プルミエダンスールのカール・パケットがゲスト出演した。パケットがデジレ王子、そしてドナールがフロレスタン王を演じた第2部『オーロラの結婚』は、さすがに華やかだった。オーロラ姫の藤川雅子は、音楽性が豊かで、独自の伸びやかさも持つのだが、まだ自分の身体をコントロールしきれていないもどかしさがある。この秋からの海外研修を充実させ、その素材をぜひ生かして欲しい。パケットは、王子らしい物腰で、オーロラ姫をエスコートする、その姿が美しい。ドナールのフロレスタン王は、表情が豊か。本人に聞いたところ、この役を演じるのは初めてとのこと。ただし、ドラマの舞台、シェークスピアの『夏の夜の夢』では王を(俳優として)演じているらしい。さすがの存在感で他の出演者を圧倒していた。

 第1部のバレエコンサートも見ごたえがあった。現在ヒューストン・バレエに所属している吉本真悟はカナダ出身のジョーイ・チーキと二人の共作『Fragments of a Dream』を踊った。ヴァルナ国際コンクール金賞などジュニア時代に、コンクールで大活躍した吉本が、大人のプロ・ダンサーとして、見せ方を心得た舞台を披露していた。しかも、ジュニア時代からの彼の個性=ピュアな魅力も失われてはいない。身体をしなやかに使いながら、自身の存在を潔く、くっきりと示していた。

福谷葉子とパケットとの『エスメラルダ』は、なんともゴージャスだった。ふたりとも音楽に巧く乗り、音楽と共に踊りをどんどん盛り上げた。パケットのサポートも良く、福谷の生来の華やかさが、そのまま生きた。『ラ・シルフィード』は竹澤智子の、ていねいな動きが心地よく、吉岡ちとせ&陳秀介は『海賊』を手堅くまとめた。セルゲイ・サボチェンコら6人の「パ・ド・シス」は、プーニ音楽。独特の、のどかさとともに、スピーディなステップも盛り込まれた楽しい作品だ。リハーサルが行き届いた演技だった。
幕開きの『VIVA MOZART』は、安達哲治が在校生のために振付けた新作。総勢50人以上のダンスは、記念公演にふさわしいエネルギーを感じさせていた。
(7月23日、京都会館第一ホール)


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