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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2006.05.10]
From Osaka -大阪-

深川秀夫作品を中心とした3作品、波多野澄子バレエ団公演

いつもセンスある深川秀夫作品を楽しませてくれる波多野澄子バレエ団。全幕ものの公演が続いていたが、今回の第7回公演は数十分のものを3作品上演した。

 まずはじめは、主宰の波多野澄子振付の『プレ・ステージ “もうすぐ本番”』。10歳~13歳のジュニアたちによるレッスン風景を作品にしたもの。レッスン風景を舞台にというと、明るくよく見えるように・・・という場合が多い気がするが、少し暗めのニュアンスのある照明の中で始まり、少しずつ明るくなっていく。絵画を思うような雰囲気が良い。また、ここの生徒たちの特徴だろうか、みんなどことなく品が感じられるのが微笑ましかった。

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 そして、深川秀夫がこのバレエ団で創作したという『真夏の夜の夢』。足立恒の照明、藤森秀彦の舞台の中で、とても美しい森がそこに現れていた。タイターニアを踊った田中晶子は、長身でとてもきれいな身体のラインの持ち主、オーベロン役のアンドレイ・クードリャとともに素敵なパ・ド・ドゥを観せてくれた。パックの窪田弘樹はバネのような動きがさすが、ボトムの末松大輔もイキイキとした表情、きれいなアントルシャが特に良い。ハーミアの斎藤優佳は美しく可愛らしく、ヘレナの若原里美はコミカルな動き、演技が冴えていた。テンポの良い物語運びで、観客をまったく飽きさせることがない優れた作品だと感じた。

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 最後の演目は『Die Tänzerin ~女性舞踊手たち』。踊る運命の中にいる16人の女性舞踊手たちを描いた深川の初期の作品。ちょっと淋しげでアンニュイな部分から前向きな笑顔まで、さまざまな姿を観せてくれる女性ダンサーへの愛に溢れた作品。ドイツで活躍中の安原絵里も一時帰国して出演、恵まれた容姿でのレベルの高い踊りを披露してくれた。ラストには、一人ずつが子どもの頃の写真が大きくスライドに映し出されるのと共に踊る・・・、最後はみんながトゥ・シューズを脱いで、舞台中央に山のように積み上げていく。もしも同じテーマをアメリカ・ミュージカルにしたら、きっととにかく楽しく歌い上げるのだろう・・・でも、これは、どこか繊細さや暗さをおしゃれに表現している。ヨーロッパの香りが強く感じられる気がした。

 続くフィナーレには、波多野澄子自身の子どもの頃のスライド写真と、現在の美しい立ち姿。深川が波多野にバラの花を一本捧げて、頬にキスする姿は、いつもながら長年バレエを愛している2人の魅力を強く感じさせてくれた。
(4月7日 尼崎アルカイックホール)