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唐津 絵理 text by Eri Karatsu 
[2005.12.10]
From Nagoya -名古屋-

●越智インターナショナル・バレエによる『ジゼル』全幕

 ワレリー・コフトン演出・振付による越智インターナショナル・バレエの『ジゼル』が開催された。今回は、越智久美子と友則による親子共演ではなく、越智久美子のパートーナーに同バレエ団の公演に度々ゲストとして参加しているワディム・ドロマハが、また友則の相手役は、ボリショイ劇場のアナスタシア・ゴーリャチェバがつとめた。

『ジゼル』は、今年冬に、残念ながら他界してしまったコフトンの振付を継承して上演されたもので、彼のディテールへのこだわりが凝縮された舞台は、ロシア・バレエの伝統を今日の日本に伝えるものであった。『ジゼル』の第2幕は、2004年2月に開催した「あいちダンス・フェスティバル」で上演されているが、全幕の上演は10数年ぶりという。もちろん、コフトン門下のウクライナの男性勢が大勢来日して、舞台の脇を固めることになった。

越智久美子&ソロマハ


越智友則&ゴーリャチェバ
今回は、公演の1日目、アルブレヒト役:越智友則、ジゼル役:アナスタシア・ゴーリャチェバの回をみることができた。
友則にとっては初めてのアルブレヒト役、しかも若い2人の初共演であるにもかかわらず、それぞれのダンサーが、作品の役柄を読み取り、独自の解釈加えて演じ分けて、それぞれのジゼル、アルブレヒト像をきっちりと作り上げていたのが印象的であった。

第1幕では、若い恋人どおしの初々しさが舞台全体に溢れ、アナスタシアの自然な演技、しなやかな肢体はもって生まれたロシア人ならではの資質かと思うほどに柔らかで優美であった。また越智友則は、ますます踊りが安定感をまし、技術のみならず、演技の解釈にも独自の主張がでてきたように感じた。取り立てて、テクニックを見せるのではなく、演技の中に自然とテクニックを折り込んでいくような余裕も見られるようになった。

 第2幕では、第1幕とは全く別人となったウィリに変装したジゼルが、舞台空間にすっと、溶け込み、亡霊さながら舞いあがるよう。ジャンプは柔らかく可憐だ。ヒラリオン役のセルゲイ・ボンドゥールもシャープな演技で作品を引き締めていた。演奏は、アレクセイ・バクラン指揮のNPO法人小牧市交響楽団。
(11月12日 愛知県芸術劇場大ホール)



越智友則&ゴーリャチェバ

越智久美子&ソロマハ
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