ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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桜井 多佳子 text by Takako Sakurai 
[2005.08.10]
From Osaka -大阪-

●ダンスボックスセレクション13の『コンセント』

Art Theater dBで行われたDANCE BOXの主催公演。それぞれ20分ずつ、Asha and dd.punch、夏目美和子・森靖弘、高瀬譜希子、福岡まなみの4組がダンスを披露した。それぞれ個性的だったが、最も興味深かったのは、高瀬譜希子振付の『コンセント』。

 出演者は高瀬多佳子、ロバート・キャラバロ、そして譜希子。首都圏の観客、あるいは現代舞踊界の人なら、このキャスト構成がいかにユニークで豪華だということを見る前からわかっていただろう。でも、この大阪の劇場で、そのことを知る観客は少なかったと思う。もちろん、その「情報」は、舞台の充実度からすれば取るに足らないこと―舞台を見終わってそう思った。

それは不思議な3人組だった。全く異なる、しかも強烈な存在感をもつ3人。それでいて、どこかが繋がっているのだ。 3人は、それぞれ手にした折りたたみ椅子を一斉に、しかし競い合うように広げて座る。意味のない動作だが、それが三人の「それぞれを気にしてないようで、している」関係性を暗示する。 高瀬多佳子はドレス姿で帽子をかぶり、赤いハイヒールで舞台を横切る。ダンスを見せなくても、「ダンサー」とわかる気配を持つ人。ロバートは惚けた表情で、でも健気に踊る。 譜希子は「踊れる身体」を、あるときは持て余し、また同時に素直に見せる。天井から降りてきたマイクを手にしての「パクパクコンテスト」(昔、テレビ番組のコーナーから流行。 音楽に乗せて、歌うまねをしながら踊る。もしかしたら30代後半の者しか見た記憶はないかも)風ダンスは最高。表情は豊かで、エネルギッシュで、観客に媚びず、堂々と自己アピールをする。 その姿はセクシーなほどだが、次の瞬間、感じやすく壊れやすい童女のような表情を見せる。

ラストは、3人が寄り添いながらも、それぞれ違う方向を見つめている。ドラマ性も巧みに織り込んだ作品だった。なお説明は不要かもしれないが・・・高瀬多佳子はキャリアをもつ舞踊家で振付家。譜希子はその娘で、最近のコンクールで立て続けに優勝している実力派。ロバートは彼女の父。
(7月7日、Art Theater dB)
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