ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2005.08.10]
From Osaka -大阪-

●10周年を迎えた佐々木敏惠テアトル・ド・バレエ

 バレエ教室開設から10年、5回目として開催された佐々木敏惠テアトル・ド・バレエ発表会。 積極的に創作作品にも挑戦し、発表会でありながら演出にも工夫を凝らしたステージで楽しめた。舞台監督を努めたのは、他のバレエ団や能など日本の伝統芸能の演出も手掛ける前原和比古。 彼は佐々木の夫。演出を前原、企画、振付、指導を佐々木と、気心しれたパートナーシップで上手くまとめていた。

 特に印象に残ったのは『羽衣』。これは2004年のアルティ舞踊フェスティバルにも参加した作品で再々演。しかし、これまではフェスティバルなどへの参加で、照明などに制約があり、そういった制約なしでは今回が初めてである。能を思わせるような和風のシンプルな舞台、天女はロマンティック・チュチュだが、それが「和」の中で特に異質なものに見え、西洋風の舞台の中でロマンティック・チュチュを観る時以上に、この世のものではないという印象を私たち観客に与える。音楽は、尾高尚忠作曲のフルート協奏曲(森正指揮・録音)。日本人作曲のせいなのか、フルートでありながら、日本の笛を思い起こさせるところがある曲だった。

『パキータ』

 主役の天女を踊ったのは浅田千穂、正確な動き、アラベスクも美しい。羽衣を奪う漁師は永井康孝、細かい部分にも気を配った繊細な演技が良い。「羽衣伝説」と言えば『白鳥の湖』の起源とも言われるような世界中にある伝説。シンプルなストーリー故に踊りとして深めようと思えば、追求しがいのあるテーマだと思う。これから何度も再演して練って深まっていって欲しい気がした。

 また『パキータ』のエトワールのヴァリエーションを踊った三浦美佐は顔が小さくて、エトワールがよく似合っていた。
(7月17日 京都こども文化会館エンゼルハウス)



リラのVa.

『羽衣』

『クララの夢』
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