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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2005.04.10]
From Osaka -大阪-

●クラシック・バレエが性に合わない人にもお勧め出来る『カレイドスコープ』

 最近、バレエだけでなく広い意味でのダンスの世界や、一般の新聞などで注目されることが多いカンパニー“カ・バレエ”。プロデュースも行っている代表、やすなみずほ、最近、振付関係の各賞受賞も多い“しげやん”こと北村成美を中心に、クラシック・バレエの経験を持ったダンサーたちが集っている。

『カレイドスコープ』とは、万華鏡のこと。この作品は、リーフレットのキャッチコピーによると「『白鳥の湖』を再構成というか切り刻んだ作品」。2003年12月、2004年5月に上演されたものの再演だ。

 私が観たのは11日、キャストは、三林かおる、木戸麻矢、二瓶みつき、早川亜希の4名。日によって三林以外のキャストは替わり、雨森敦子、大坪千鶴、野玉智奈美などが出演する。

 4人は4人共が、同じ白のキャミソール(チュチュボディのようなホック付きなのでコルセット?)と独特の白のブルマーのようなショートパンツという衣裳。使われる音楽は、バレエファンには聞き慣れた『白鳥の湖』から。ただ、曲順は、本当に“切り刻まれ”、ある部分は重複して、ある部分はカットされている。

 色々なシーンがある。ひとつひとつ説明することは避けるが、チャンバラのように“何か”と戦っているシーン。クラシック・バレエ『白鳥の湖』のストーリーに準じて、4人が王子、王妃、オデット、オディールという役柄になり、演じ踊っているようなシーン---このシーンは、まるで、バレエの教室で女の子たちが、休み時間にふざけて役になりきって遊んでいる姿にも見える。

 トゥ・シューズに手を入れて「コツコツ」と響く音を楽しんだり、バレエ好きな女の子ならやってみたかったことをさりげなく組み込みながら、ちゃんばら、走る・・・さまざまなシーンが展開してゆく。

 4人のダンサーの、ある時は自分をさらけだすような、ある時は観客を射るような、ある時は物語に溶け込んだような視線と動きに、観客は不思議に理屈なく引き込まれていく。

 コンパクトにまとめられた60分ほどの舞台が終わって周囲を見ると、意外なほど多い子ども達。私だけでなく、この子ども達がみんな引き込まれて観ていた。子供は正直とはいつも思うところ、つまらない舞台では、プイとどこかに行ったり、その席でもちょこちょこ動き出したり・・・。小劇場的な広さの会場、観客席に動きがあればすぐに気になるはず。子ども達は確かに引き込まれて観ていたのだ。
(3月9日~13日 栗東芸術文化会館さきら 小ホール・11日を鑑賞)
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