ワールドレポート ~世界のダンス最前線~

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すずな あつこ text by Atsuko Suzuna 
[2005.03.10]
From Osaka -大阪-

●32回目を迎えたバレエ協会関西支部のバレエ芸術劇場『眠りの森の美女』


 今年もロシア、サンクトペテルブルクのキーロフ・バレエ及びワガノワ・バレエ・アカデミーから指導者などを招いて上演されたバレエ芸術劇場。バレエ協会関西支部に所属する関西の各バレエ団のダンサーが集っての公演で、演目は『眠りの森の美女』。音楽は指揮・河崎聡、演奏・関西フィルハーモニー管弦楽団。

 プロローグ、妖精を踊ったのは松本真由美、田中小百合、城谷季史子、大野嘉子、長尾美花、そしてリラの精が楠本理江香。チュチュの色はリラのすみれ色を中心に白、ピンク、黄、山吹、オレンジと暖色系でブルーなど寒色系がない。それは暖かい花の色を思わせた。
 オーロラ姫は山下摩耶。ローズアダージオもきちんとこなすテクニックの持ち主でやわらかさもある。ただ溌剌とした雰囲気の持ち主なので、他の役の方がより彼女の魅力が活かされるかもしれないという気もした。4人の求婚する王子たちの一人、脇塚力は他の舞台でも笑顔がチャーミングで印象的なダンサー。この役でも、ストーリーを考えた細かい演技の工夫が見られ、良かった。

 2幕から登場するデジレ王子はキーロフ・バレエのプリンシパルであるアンドリアン・ファジェーエフ。長身で気品があり、王子らしい雰囲気。彼は3幕のグラン・パ・ド・ドゥでも足音をほとんど立てない。無理なく見える柔らかなジャンプがとても自然で、素晴らしいダンサーだと感じた。

 ラスト3幕では主役二人はもちろん、さまざまな踊りを楽しむことが出来た。昨年度の文化庁芸術祭賞新人賞を受賞した堀端三由季をダイヤに、金を小澤侑貴子、銀を安積瑠璃子、サファイヤを高木志保が踊った宝石の精の踊りは、同じカンパニーに所属する4人ということも幸いしてか、速い音楽の中でアティチュードの高さまでよく揃っており、完成度が高かった。
 白猫と黒猫は内藤夕紀と青木崇。内藤の猫は可愛らしさや色っぽさから、ふくれっ面や「イーッツ」という顔までクルクル変わる表情がどれも意味ありげでとても良い。赤ずきんの柳生明奈も大きな眼を活かして表情たっぷり。
 フロリナ王女と青い鳥は江川由華と桑田充。江川はスラッとしたスタイルで柔らかい笑顔、桑田は美しいブリゼが印象的。
 全体的にコール・ド・バレエはまだ公演経験の浅い若い人も多く参加しているようだが、年月を重ね彼女たちも舞台経験を積み成長することで、舞台にさらに厚みが出ることだろう。
(1月23日 大阪国際会議場・メインホール)